2006年10月24日(火)15:28

西欧はルーマニアとブルガリアの労働者を歓迎せず

ロンドン(AP)

ブルガリアとルーマニアに対しては、来年1月1日のEU加盟後、西欧の労働市場の開放はきわめて限定される。前回2004年のEU拡大ラウンドでただちに労働市場を新規加盟国に開放したイギリスとアイルランドは火曜日、来年の労働市場開放を制限する意向を発表した。両国は、労働市場の即時開放が予測された数少ない西欧諸国のうちの2ヶ国であった。

イギリス政府はブルガリアとルーマニアに対する労働市場開放は早くとも2008年になると述べた。アイルランド政府は2年間の移行期間を設けると発表した。ブルガリア外務省はこの決定を批判した。ブルガリアは対抗策として、労働市場を閉ざしている国からの労働者の流入制限を検討していると外務省は述べた。

欧州委員会は、2004年に新規EU加盟国に労働市場を開放した国々が「ブルガリアとルーマニアには開放しようとしない」ことに遺憾の意を表明した。2年前はイギリスのほかにスウェーデンとアイルランドも自国の労働市場を新規加盟国の国民に完全開放した。これを受けてポーランドをはじめとする東欧諸国から数十万人の労働者がイギリスとアイルランドに流入した。

欧州委員会はこれを常にサクセスストーリーとして発表してきた。新聞記者がイギリス政府の見方は異なっているようだとコメントすると、欧州委員会のカタリーナ・フォン・シュヌールバイン広報官は「事実は争えない。失業率は低下した」。だが各国政府が経済的影響だけでなく「他の問題も考慮している」可能性はある、と認めた。

ルーマニアとブルガリアの加盟に際しては、これまでフィンランドのみが1月1日から労働市場を全面的に開放すると発表している。ドイツ連邦議会は今週、両国の新規加盟を採決し、あわせて徐々に労働市場開放をはかるための移行規定を決定するものと見られる。

原題:Arbeiter aus Rumaenien und Bulgarien in Westeuropa nicht willkommen




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