2011年10月12日(水)
AFP(イェーンス・カレーネ)
欧州委員会はセルビアに加盟候補国の地位を与えるよう提案を行った。これは欧州委員会のシュテファン・フューレ拡大担当委員がブリュッセルで伝えたもの。しかし欧州委員会はその見返りにコソボとの協議の前進をセルビア政府に求めた。国境の緊迫事件の後、セルビア政府はEUの仲介したコソボとの対話を9月に打ち切っている。
セルビアはかつてのボスニアのセルビア軍司令官ラトコ・ムラディッチをハーグの国連戦犯法廷に引き渡したことで、EUの基本的要求に応えている。しかしセルビア政府とのEU加盟交渉の開始は、コソボとの対話が前進してからだ、とフューレ委員は述べた。
もうひとつのバルカンの国もEU加盟に向けて前進している。フューレ委員はモンテネグロとの加盟交渉の開始を提案している。モンテネグロはすでに加盟候補国として承認されている。9月初めモンテネグロ議会は4年に及ぶ議論の末、EU加盟交渉開始の重要な条件のひとつと見なされている選挙法を可決した。
セルビアとモンテネグロに関するフューレ委員の提案は、今後EU加盟全27ヶ国の承認を得る必要がある。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は8月にベオグラードを訪問し、セルビアがEUに接近するためにはコソボ問題での前進が不可欠であると言明した。
一方、トルコの状況は欧州委員会の懸念材料である。「残念ながらトルコとの加盟交渉は1年以上進展がない」と欧州委員会は述べる。言論の自由など「基本的権利」に関してさらなる前進が必要であるという。トルコとキプロスの関係悪化について欧州委員会は「懸念」を表明する。
何年も前から緊張が続く両国関係は、最近キプロス沿岸の天然ガス調査をめぐる論争でさらに悪化した。トルコ政府はキプロスがEU議長国を務める来年下半期にEUとの関係を凍結させると警告している。
原題:Serbien mit Vorbehalt als EU-Beitrittskandidat empfohlen
EU-Kommission fordert Fortschritte bei Thema Kosovo
Von Jens Kalaene