2011年10月15日(土)
アンカラ(dapd)
トルコとキプロスの間の緊張はさらに高まりつつある。トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相は、キプロスが来年EU議長国に就任したならばトルコは欧州連合との関係を凍結させると表明した。キプロス再統一に関する合意が成立しない限り、トルコ政府は「国と呼ばれるところ」と同じテーブルにつくことはない、とエルドアン首相は土曜日、テレビ放送された演説で述べた。キプロスは2012年7月に輪番制のEU議長国を務める。
あわせてエルドアン首相はキジルカハマムにおける公正発展党(AKP)の党員を前に行われたこの演説で、キプロスに対して地中海の石油と天然ガスの調査継続に警鐘を鳴らし、トルコはこのような行為に対しこれまで以上に厳格に臨む、と警告した。トルコ政府は当初、キプロスが調査する海域に調査船と数隻のフリゲート艦を送った。これに対し、キプロスのデメトリス・フリストフィアス大統領は今月初め、いわゆる排他的経済水域内でのキプロスの天然資源調査の権利には交渉の余地がないと述べている。
キプロスは1974年以来、南部のギリシャ系キプロス共和国とトルコ軍管理下の北部に分断されている。トルコ政府はギリシャ系キプロスを主権国家として認めていない。トルコ政府の見解では南キプロスは試掘によってトルコ系キプロス人の権利をも侵害しているという。
キプロス問題はEUとトルコの交渉における大きな障害の一つである。背景にはいわゆるアンカラ協定がある。この協定はEUとトルコの関税同盟をすべての新規EU加盟国にも拡大することを定めている。すなわちここにキプロスも含まれる。EUはトルコに対し、自国の港湾や空港をキプロスの船舶や飛行機に開放するよう要求している。しかしトルコ政府はトルコ系北キプロスに対する通商制限を理由にこれを拒んでいる。状況は膠着状態に陥っている。
トルコのアフメット・ダーヴトオール外相は最近ではドイツのギード・ヴェスターヴェレ外相の訪問に際して、最新のEUの拡大進展状況報告書はキプロス問題を一面的にしか捉えていないと批判し、欧州に対するトルコの役割を再評価するよう求めている。
原題:Erdogan will EU-Vorsitz Zyperns nicht anerkennen