2012年10月10日(水)
ブリュッセル(dapd)
EU加盟の予定期日を10ヶ月後に控え、欧州委員会はバルカン半島の国クロアチアについて加盟準備状況に著しい不備があると見ている。水曜日に発表した加盟進展状況報告書の中で、欧州委員会は10件のとりわけ急を要する課題の解決を求めた。その一部は広範な影響の及ぶ問題である。たとえばEUの法律を実行に移す行政の整備である。また司法制度や汚職撲滅、国境警備における問題の解決も求めている。
クロアチアを28番目のEU加盟国として迎える条約は、すでに昨年12月に調印されている。加盟期日は2013年7月1日が予定されている。欧州委員会のシュテファン・フューレ拡大担当委員は水曜日、私はこの加盟期日を「何ら疑わない」と述べた。しかし一方でクロアチア政府に対して「残り数ヶ月でさらに努力を強化する」よう明確に求めた。来年の春に欧州委員会は加盟準備状況に関する最終報告を発表する意向である。
中間報告でほかならぬ法治国家および安全について不合格点がついたことは、ルーマニアおよびブルガリアとの比較を余儀なくさせる。両国はEU基準を満たしていなかったにもかかわらず2007年に加盟を認められた。不備の解消のために監視メカニズムが設けられた。しかし今日に至るまで両国はシェンゲン圏への加盟が認められていない。これは欧州委員会の信頼性も揺るがした。しかしフューレ委員は水曜日、クロアチアに対しても同様の「二級の」EU加盟を検討する可能性を否定した。
セルビアにも水曜日ブレーキがかかった。欧州委員会はセルビアに加盟交渉開始の期日を約束しなかった。理由はかつて同国の自治州であったコソボとの紛争が未解決のためである。フューレ委員はセルビアに対しコソボ政府との関係を改善するよう呼びかけた。一方、同委員はコソボに対して、安定連合協定の可能性を検討することを提案し、これによって加盟展望を開いた。しかしなおEU全加盟国による検討の承認が必要となる。
トルコに対する加盟展望はこの最新の加盟状況進展報告書でも改善されていないどころか、その反対である。欧州委員会は同国の人権侵害に関して危機感を表明した。基本的権利の尊重に関して「深刻な懸念」がある、とフューレ委員は述べた。政治的基準の達成で本質的な進展は認められず、これについて私は「懸念を募らせている」と同委員は語った。
トルコは1999年から加盟候補国として承認されており、加盟交渉は2005年から始まっている。しかし最近2年間に新たな交渉が始まった分野はひとつもない。加えてトルコと現EU議長国のキプロスとの関係が冷え切っていることも問題を難しくしている。「トルコは少しもルールを尊重する気配がない」と欧州議会のキリスト教社会同盟(CSU)議員団のマルクス・フェルバー代表は語る。「EUがトルコの加盟展望に固執し、交渉を自明のものとして継続するならば、今後問題となるだろう」と同代表は警告した。
原題:Kroatien noch nicht reif fuer den EU-Beitritt