2015年10月17日(土)
AFP
欧州連合は停滞しているトルコとのEU加盟交渉を可能な限り速やかに再開する意向である。2年ぶりに新たな分野の交渉が開始されることになる。
「私たちは法治国家と人権に関する第23分野と第24分野の交渉を開始すべきである」と欧州委員会のヨハネス・ハーンEU拡大担当委員はシュピーゲル誌Der Spiegelに語った。「圧力をかけ、改善を引き出せるのは、交渉している場合に限られる」とハーン委員は付け加えた。
ヴェルト紙Die WeltがEU外交筋の一致した情報として報じるところによれば、経済・通貨政策に関する第17分野の交渉開始も協議されているという。これについてはEU加盟国の間ですでに「合意」がある、とヴェルト紙はEU外交筋の発言を引いている。この分野は11月初めのトルコの議会選挙には間に合わないものの、「遅くとも年末までには」交渉が開始されるという。
トルコ政府は2005年10月からEUとの間で加盟交渉を行っている。それぞれ具体的な加盟条件を含む全35分野のうち、これまで交渉が完了したのは学問と研究に関する第25分野のみである。最近交渉が始まったのは地域政策に関する第22分野で、2013年11月のことである。他の多くの分野はキプロス問題ならびにフランスなどEU加盟国の抵抗もあって、交渉開始が阻止されたままである。
しかし最近は難民問題により、停滞していた加盟交渉にも動きが出てきた。トルコはEUの外境とシリアの間に位置し、内戦の続くシリアから200万人の難民を受け入れているため、EUにとって難民問題解決の鍵を握る。EUはトルコに対し、国境の管理強化の見返りに加盟交渉の再開とビザの簡易化ならびに数十億ユーロの支援を提案している。
しかしながら欧州議会のマルティーン・シュルツ議長(社会民主党SPD)は、難民問題での協力と引き換えに過度の譲歩を行ってはならないと警告した。「私たちの根本原則で割引を行うことがあってはならない」とシュルツ議長はシュピーゲル誌に語った。
明日日曜日にアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)はイスタンブールを訪問し、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領ならびにアフメト・ダーヴトオール首相と難民問題およびシリア内戦について協議を行う。
原題:EU will Beitrittsgespraeche mit Tuerkei rasch wieder aufnehmen
Eroeffnung neuer Verhandlungskapitel bis Jahresende im Gespraech