2000年10月10日(火)17:10

シュレーダー首相は速やかなEU東方拡大を支持

シュヴァルツハイデ / ミュンヒェン(ロイター)

ドイツ連邦首相ゲルハルト・シュレーダー(社会民主党)は欧州連合(EU)の速やかな東方拡大を支持する旨表明した。「われわれドイツ人はこの市場で先陣を切ることに大きな関心があり、またそのチャンスもある。それゆえわれわれは拡大のテンポを速める」とシュレーダー首相は火曜日コトブス近郊シュヴァルツハイデのBASF工場設立10周年記念式典の席で述べた。「EUの東方への拡大は東ドイツ地域の利益にかなう。」バイエルンとザクセンはチェコとポーランドのEU東方拡大に対する準備を促進させるために、犯罪撲滅の分野で両国との一層の協力を求めた。

シュレーダー首相は、「懸念を抱くよりもEUの東方拡大を好機と認める理由の方が多い。バルト諸国ならびにポーランド、チェコおよびハンガリーの加盟は、ドイツから操作できる市場を開発するのに役立つであろう。これはスムーズに進められねばならない。パートナーである他のヨーロッパ諸国とはさまざまの領域で移行規定を取り決めるべきである」と述べ、また「私はたとえば東欧からの安値競争を恐れる手工業者の不安を真剣に受け止めている」と付け加えた。「化学コンツェルンBASFもシュヴァルツハイデの工場を東欧の市場獲得のためのスプリングボードとして計画したのだ。」

これに対し、バイエルン州首相エドムント・シュトイバー(キリスト教社会同盟)とザクセン州首相クルト・ビーデンコップは「EUの東方拡大は歴史的課題である。しかしこれにより治安の面で制御不能な危険性がもたらされるようなことがあってはならない。それゆえ一層速やかに欧州連合の安全基準を満たすようチェコとポーランドを指導する必要がある。両国はEU加盟のため、警察署を国境を越える協力に備えさせ、効率的な犯罪撲滅を行える態勢を証明しなくてはならない」と語った。

バイエルン州とザクセン州はチェコと、ザクセン州は加えてポーランドとも国境を接している。「国境検問の廃止はチェコとポーランドがシェンゲン協定の安全基準を永続的に満たした時にはじめて可能となる」とシュトイバーおよびビーデンコプフはミュンヒェン近郊シュライスハイム城における両州共同の閣議を終えて語った。両州はまたこれとの関連で覆面捜査をドイツ全土に導入することに賛意を表明した。「バイエルンはオーストリアとの国境検問の廃止以降、犯罪容疑とは無関係の検問により良い経験を積んでいる」とシュトイバー州首相は語った。

原題:Schroeder fuer rasche EU-Osterweiterung