2000年10月23日(月)13:50

シュレーダー首相はスロヴァキアに支援を約束

ブラティスラヴァ(ロイター)

ドイツ連邦首相ゲルハルト・シュレーダー(社会民主党)はスロヴァキア政府に対して欧州連合(EU)およびNATO加盟に向けた同国の努力への支援を約束した。シュレーダー首相は月曜日、スロヴァキアのミクラシュ・ズリンダ首相とブラティスラヴァで会談した後、「スロヴァキアは速やかな加盟プロセスに向けた我々の援助をあてにしてもらって良い」と述べた。「この国が改革のスピードを保ち、一層速めるならば、スロヴァキアが加盟候補国の『先頭』に立つと確信している。EU拡大の時期は最も早い場合で2003年である。EUは2002年末までに新たなメンバーを迎える態勢を整える意向である」と語った。

しかしどの候補国もいつ加盟が可能となるかは、最終的には自らがそれぞれの改革次第で決める事柄である、とシュレーダー首相は述べた。

シュレーダー首相は同様にスロヴァキアの目指すNATO加盟に関しても加盟期日を言明することはなかった。しかし首相は、NATOに関しても「新たなメンバーに対して扉は開かれている」という状況が当てはまることを強調した。NATO拡大は「一晩では実現しない」ものの、機が熟せば「スロヴァキアはドイツの支援を当てにしてもらって良い」と語った。

ズリンダ首相が連立の10党とともに進めている改革路線に対しては国民の抵抗が強まりつつある。シュレーダー首相はスロヴァキアの目指すEU加盟を視野に入れ、ズリンダ首相を応援した。「このEU加盟はズリンダ首相とその連立政権による政治以外には実現不可能である」とシュレーダー首相は述べ、「他のいかなる政治もスロヴァキアのEU加盟を後退させることになろう」と付け加えた。

ズリンダ首相は、改革プロセスを継続し外国の投資家のために国内の投資条件を引き続き改善するというスロヴァキア政府の努力をドイツの首相に説明したと述べた。「スロヴァキアは欧州連合のみならずNATOの構成国をも目指している。EU加盟に関してはチェコ共和国など第一陣の加盟候補国にできるだけ早く追いつくべく努力している」と語った。スロヴァキア首相はシュレーダー首相の訪問をスロヴァキアにとっての「祝典日」と称した。「ドイツとスロヴァキアの貿易は現在年間25パーセントの伸びを示している。外国投資の四分の一はドイツからである」と同首相は語った。

ズリンダ政権は1998年以来改革路線を強行し、精力的に民営化を進め、国の負債の削減と貿易の推進をはかっている。ズリンダ政権は11月11日に国民投票を控えており、野党はこの結果により総選挙の前倒し実施を目論んでいる。スロヴァキア政府筋の情報によれば、ドイツ政府は1993年のスロヴァキア共和国創立以来初の首相訪問により、スロヴァキア政府を支援し改革路線の継続を促す意向であるという。スロヴァキア政府に対してはこの10月にもドイツ連邦蔵相ハンス・アイヒェル(社会民主党)が、改革のスピードをさらに速めるよう求めたばかりである。それによりスロヴァキアはその大きな潜在能力を生かし、最終的にEU加盟の資格を得ることができようと同蔵相は述べていた。

ポーランド、チェコ,ハンガリー、スロヴェニア、エストニアおよびキプロスは1998年3月にEUとの間で加盟交渉を開始した。スロヴァキア、リトアニア、ラトビア、ルーマニア、ブルガリアおよびマルタは1999年に協議の席に招かれた。

原題:Schroeder sagt Slowakei Unterstuetzung zu