2001年9月5日(水)22:26
ストラスブール(ロイター)
欧州議会は水曜日、チェコのテメリン原子力発電所の環境適合性を再点検するよう求めた。欧州連合(EU)は同原発の再検査を行い、テメリンの閉鎖を考慮するべきである、とEU議会で採択されたチェコ共和国に関する報告書は述べている。同報告書の目的はチェコのEU加盟条件の達成に向けた進展を判断することにある。テメリン原発はチェコ共和国とオーストリアの紛争の種となっている。オーストリアは原発を認めておらず、同原発を環境に対する脅威と見なしている。チェコは2004年のEU加盟を望んでいる。
欧州議会の緑の党所属の議員は、テメリン原発の問題をこの報告書で取り上げるよう強く求めてきた。「テメリンはEUの問題である」とオーストリアのメルツェーデス・エヒェラー議員は述べた。これはテメリンに関しEUの解決案を見出そうというチェコに対する申し出である。閉鎖も一つの可能性である、と同議員は語った。
同時に報告書は、同原発の閉鎖のコストを算定するべく国際的なフォーラムを招請することも求めている。場合によっては資本供与国の委員会がチェコを援助し、コストを引き受ける可能性もある、と報告書は述べている。また緑の党の議員は、このテメリン原発をめぐる論議が加盟候補諸国の他の原発について広範な議論を巻き起こすことを期待している旨発言した。東欧諸国の多くの原子力発電所はEUの安全基準に沿っていない。
テメリン原発はドイツの国境から約60km、オーストリアの国境から約50kmのところに位置する。オーストリアとドイツは安全に対する懸念を表明し、閉鎖を求めている。マルクに換算して約53億マルクの費用を投じたこのソビエト型原発は、2000年10月に試験運転を開始して以来、たびたび技術的な問題のために運転を中止している。
原題:EU-Parlament fordert Ueberpruefung des Atomkraftwerkes Temelin