2004年9月2日(木)12:59
ハンブルク/ベルリン(AFP)
ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)は、トルコの目指すEU加盟を拒絶せぬよう強い調子で警告した。「EUに加盟したトルコは国際テロとの戦いに不可欠である」とフィッシャー外相は木曜版の『ビルト』紙に語った。「「もし私たちがトルコに対しEUへの扉を閉ざしたならば、どのみち民主主義と西欧的価値を拒絶する勢力を勢いづかせることになるだろう。そうなれば私たちにとって危険な事態となる!」
EUは信仰の問題などではなく価値共同体なのだ。「私たちの選択は二つに一つ:イスラム原理主義の防波堤となってくれる近代的、民主的、ヨーロッパ的トルコを望むのか、それともそれを望まないのかだ」、と外相は述べた。
フィッシャー外相は、今問題になっているのは加盟交渉の開始であって、EU加盟ではないと強調した。「トルコも、今の段階ではEU加盟資格に欠けることは承知している」。加盟交渉の完了は「あるいは10年15年先になるかもしれない」。それまでトルコは、「改革の断固実行という路線を精力的に継続する」必要がある、と外相は語った。
キリスト教社会同盟(CSU)のミヒャエル・グロース州議員団長はフィッシャー外相の発言を批判した。「トルコの正式加盟はEUの統合能力を越える」とベルリンで発言した。フィッシャー外相の強調するトルコの地政学的重要性はEUとの特別な関係の枠内で考えることが可能だ。「それゆえ、キリスト教民主同盟・社会同盟の主張する特権的パートナーシップの方が今後とも良い解決策となる」。
EU各国首脳は12月17日にブリュッセルで開かれる首脳会議で、トルコとの正式な加盟交渉の開始について決定を下す意向である。これに先立ち、10月6日にトルコの人権や民主主義の進捗状況について進展報告書が発表され、加盟交渉開始に関する勧告が行われる予定である。
原題:Fischer: Tuerkei nicht die Tuer nach Europa zuschlagen