2004年9月11日(土)18:26

ドイツの議員はポーランド議会の戦時賠償要求に憤激

ベルリン/ワルシャワ(AP)

ポーランド議会がドイツに戦時賠償要求を決議したことは、ドイツでは党派を越えた批判を呼んだ。「これは両国民の関係に悪影響を与える」と社会民主党(SPD)のアンゲーリカ・シュヴァルデューレン副議員団長は土曜日に強調した。ポーランド政府は国会の決議から距離を置き、両国関係の悪化を望まないとの声明を出した。

ポーランドの国会は金曜日、棄権1名を除く全会一致で、ドイツに対し第二次大戦の損害賠償を要求するよう政府に求める決議を可決した。この拘束力を持たない決議ではまた、ドイツ政府に対して、ドイツ人がポーランドに残した過去の財産に対する要求を行なわないよう、ドイツ政府に対して対処を求めた。この背景には、故郷を放逐されたドイツ人による補償要求があり、これはポーランドの憤激を呼び起こした。ドイツ政府はポーランド国会の決議についてコメントしていない。

しかしドイツ議会の各政党の代表は一様に拒絶姿勢を表明した。社会民主党のシュヴァルデユーレン副議員団長は『ベルリーナー・ツァイトゥング』Berliner Zeitung紙に、「隣国をネガティブにイメージするものは、自分が強くなったように思えるのだろう」と語った。社会民主党のペーター・グロッツ議員は『ヴェルト日曜版』Welt am Sonntag 紙に、「今度はポーランドが自国の民族主義的・保守的な原理主義を排除する番だ」と述べた。

ドイツ連邦議会のヨーロッパ委員会のマティーアス・ヴィスマン委員長(キリスト教民主同盟)は双方に対し節度を守るよう求め、「私たちのポーランドの友人も、EU加盟の際にドイツがどれほど手を貸したか思い出してもらいたい」と語った。

キリスト教民主同盟のフリートベルク・プフリューガー外交担当は北ドイツ放送(NDR)で、ポーランド国会の決議は故郷放逐者の組織のプロイセン信託公社が予告した補償要求に対する返答であると語った。だが「危険な要求に新たな別の要求で応える」べきではない。キリスト教民主同盟はドイツの補償要求には明確に反対する、と語った。

自由民主党(FDP)のヴェルナー・ホイヤー外交担当は、決議はこの金曜日を「等しく双方にきわめて重要な意味を持つ繊細なドイツ・ポーランド関係にとって暗黒の一日」にしてしまった。ポーランド政府は決議から距離を置いたが、私は「ポーランド議会でもほどなく理性的な声が戻るものと」期待していると述べた。

故郷放逐者同盟のエーリカ・シュタインバッハ議長は、ポーランド議会の戦時賠償要求が通るとは考えていない。ポーランド議会が金曜日に決議したドイツに対する賠償要求は、被放逐ドイツ人のポーランドに対する補償要求と同様、国際的に認められない、とシュタインバッハ議長は土曜日ヘッセンラジオ放送Hessischer Rundfunk に語った。

PAP通信によれば、ポーランドのマレク・ベルカ首相は、議会の懸念は理解できると述べたという。「私たちがこの渦を巻き起こしたのではない」。だが「私は、ポーランドとドイツの良好な関係に悪影響が及ばぬように、私たちはこのドイツの戦争補償の問題を解決すべきであると考える」。両国の政府は「戦時賠償の問題を法的意味も含めて最終的に決着をはかるよう」解決策を模索する、と語った。

ポーランド外務省は、賠償問題はすでに「完結しており、この問題でドイツ・ポーランド関係を損なわせてはならないとの決意を固めている」と述べた。

原題:Bundestagsabgeordnete empoert ueber polnische Entschaedigungsforderung




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