2004年9月23日(木)17:54

欧州委員会はトルコとのEU加盟交渉開始を勧告する模様

ブリュッセル(AP)

トルコは欧州委員会から加盟交渉開始の支持を得る模様である。「私の観点からはもはや交渉開始の勧告に向けた障害はない」と欧州委員会のギュンター・フェアホイゲン拡大担当委員は木曜日、ブリュッセルでトルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相との会談を終えて語った。エルドアン首相はフェアホイゲン委員に対して、姦通を禁固罪に定めた条項を除いた刑法改正を可決すると約束した。

エルドアン首相は、「私たちは宿題を果たした。懸命に努力したのだ」。この点でEUにはもはや「否と言う」理由はない、と強調した。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は事態の展開を歓迎した。外相はニューヨークで開かれている国連総会を終え、ドイツ政府は欧州委員会の肯定的な決定を望んでいる。トルコの刑法改正決定の意向は、EUの誘導戦略が機能している証拠だ、と述べた。しかし外相はまた、「実現までのプロセスはかなり長いものとなろう」と強調し、私は加盟交渉が「10年から15年」かかると予想していると語った。

キリスト教民主同盟(CDU)のアンゲラ・メルケル党首はトルコのEU加盟に対する同党の拒絶姿勢をあらためて示した。私は11月4日に開かれる欧州人民党(EVP)の首脳会議で私の主張に支持を求めるつもりだ、とメルケル党首は『フランクフルト一般新聞』Frankfurter Allgemeine Zeitung(金曜版)に語った。メルケル党首はトルコに対して、正式加盟ではなくEUとの「特権的パートナーシップ」を提案する意向である。

フェアホイゲン委員は「私たちは懸案として残っていた問題の解決策を見出した」と強調した。エルドアン首相は今週末の日曜日に国会を召集すると発表した。首相は、特別国会では懸案の刑法改正の可決がはかられる。政府はトルコの「革命的変革」を断固推進する意向である、と述べた。EUから厳しい批判を浴びた、姦通を刑法罪とする条項は、外交筋の伝えるところによればこれにより廃案となる。またエルドアン首相は、改革の実行にはトルコのメンタリティーの変化も不可欠であり、これにはなお時間を要す、とも強調した。

当初エルドアン首相は内部対立から刑法改正の可決を延期すると発表していた。これに対しフェアホイゲン委員は、刑法改正の可決を欧州委員会が加盟交渉開始を支持するための条件とした。刑法改正案では強姦、小児性愛、拷問ならびに全般的な人権の遵守を定めている。フェアホイゲン委員は、欧州委員会の認識ではトルコには「もはや組織的な拷問は存在しない」と強調し、これは私が委任した専門家グループによる現地調査の結果であると述べた。委員は、しかし拷問の問題は10月6日に発表される欧州委員会の加盟進捗状況報告書では集中的に取り扱われることになろう、と語った。

エルドアン首相はフェアホイゲン委員との会談後、欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長と会見した。委員長は、欧州委員会の進捗状況報告書は「客観的かつ公正」なものになるだろうと強調した。エルドアン首相は午後には欧州議会を訪れ、議会の全会派と会談した。

欧州委員会は10月6日にトルコとの加盟交渉開始の是非について勧告を行なう予定である。この報告書に基づいてEU各国首脳は年末の首脳会議で決定を下す。欧州議会は共同決定権を持たないが、議会として意見表明を行なう予定である。

原題:Tuerkei kann mit Ja Bruessels rechnen




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