2004年9月27日(月)16:41

シュレーダー首相とベルカ首相は補償要求を退ける

ベルリン(AP)

ドイツとポーランド両国の政府は、戦後およそ60年を経た戦時の補償・賠償請求をともに退けることで意見の一致をみた。ポーランドのマレク・ベルカ首相は月曜日ベルリンで「完全に決着のついた問題」と評した。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、「奇跡の和解と友情」が永久に過去を蒸し返す人々によって損なわれることがあってはならないと警鐘を鳴らした。両国は共同の専門家チームを作り、国際法廷への補償・賠償請求に対処することを決めた。

「法律的にも政治的にも賠償要求の余地はない」。これはドイツとポーランドの双方に当てはまる。両国は「法律的に根拠のない個人的な請求については、それがいかなる法廷に訴えられたものであれ、退けられるよう」共同で対処するつもりだ、とシュレーダー首相は強調した。首相は「おもにドイツ人によって引き起こされた、前世紀の恐ろしい歴史」に触れ、和解を危険にさらさないよう警告した。危うくするには和解はあまりにも尊い。両国にとっても統一ヨーロッパの形成にとっても、と首相は述べた。

ベルカ首相は現在のドイツ・ポーランド関係を歴史上最善の関係と称賛した上で、こうした関係を台なしにしかねない感情の沸騰はきわめて有害である。法律家チームを作り、国際法廷への個人的な訴訟を阻止すべく、両国共通の立場を築くつもりである、と語った。ベルカ首相は、ドイツの財務省と負担調整局がポーランド当局に訴えるドイツ人の可能性にあえて触れなかったことを歓迎した。

この問題の背景にあるのは故郷放逐者団体の「プロイセン信託公社」の動きである。プロイセン信託公社は秋にもポーランドの裁判所と欧州人権裁判所に対し、失われた財産の返還訴訟を起こすことを計画している。この計画はポーランドの憤激を呼び、ドイツに対し戦争の被害に対する賠償を請求するよう政府に求めた国会決議につながった。

ベルカ首相はこの国会決議を「拙劣」と評し、拒絶姿勢をあらためて明確にした。私は一切の補償要求を、再び手をつけてはならない完結した歴史のひとこまと考えている、と首相は語った。シュレーダー首相同様ベルカ首相も、補償要求にはどんな法的根拠もないと強調し、疑念の余地をなくし、不安の解消に一役買えるよう共同の法律家チームを作るつもりだ、と語った。

シュレーダー首相は、キリスト教民主同盟・社会同盟指導部もドイツ・ポーランド関係を「永遠に過去を蒸し返すスローガンで損なう」人々に「道理をわきまえ」させられるとの期待を表明した。野党の中にもこの両国関係の歴史的意義を理解している理性的な勢力がある、と首相は述べた。

キリスト教民主同盟・社会同盟議員団のフィリートベルト・プフリューガー外交政策担当広報官は、そのような講釈はキリスト教民主同盟・社会同盟には不要であると答えた。ドイツ側の補償要求であれ、ポーランド側の賠償請求であれ、もはやそのような余地を認めないというのが昔からの我が党の政策である。個々の国民が法的手段に訴えたのは彼らの正当な権利であるが、キリスト教民主同盟・社会同盟からの政治的支持は得られない、とプフリューガー外交政策担当広報官はAP通信に語った。一方、キリスト教民主同盟・社会同盟の故郷放逐問題ワーキンググループのエルヴィーン・マルシェフスキ座長は、現行法を無視しているとしてシュレーダー首相を非難した。首相はポーランド国民を欺き、ドイツの故郷放逐者をスケープゴートに仕立てている、とマルシェフスキ座長は批判した。

原題:Schroeder und Belka weisen Entschaedigungsforderungen zurueck




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