2006年9月13日(水)18:54

メルケル独首相は依然トルコのEU加盟に慎重

メルフェルデン‐ヴァルドルフ(AP)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はトルコの欧州連合加盟について依然慎重な立場を崩していない。水曜日フランクフルト・アム・マイン近郊のメルフェルデン‐ヴァルドルフで行なわれたトルコのマスコミ各社の編集長との議論の席で、キリスト教民主同盟(CDU)の党首を務めるメルケル首相は、あらためて「特権的パートナーシップ」についての同党の考えを示した。しかし首相はドイツ政府が条約を忠実に守り、トルコとの加盟交渉を継続すると言明した。首相は、トルコのEU加盟の前提条件は合意した条件の履行であり、またEU自らの受け容れ能力である、と述べた。

さらにメルケル首相は、加盟交渉がとにもかくにも完了するまでには、まだだいぶ時間がかかるだろう。CDUやオランダのキリスト教民主党のみならず、フランスのニコラ・サルコジ内相などもトルコの加盟に懸念を表明している、と述べた。

メルケル首相はトルコに対しキプロス問題の解決を強く迫った。両国が欧州連合の加盟国になりながら、相互で貿易関係もなければ、港湾も開放しないなどという事態はあり得ない。たとえ容易でなかろうが、私はこの問題の早期解決を望む、と首相は語った。

メルケル首相は、加盟交渉開始の発表以降トルコ国内で多くの変化があったと認めた。経済関係もきわめて良好である。しかし文化の領域や内政、法の適用などではまだ相違がある。ドイツに居住するトルコ人の統合の必要性とトルコのEU加盟問題は別の問題であり、まったく関係はない、と述べた。

メルケル首相はあらためて、ドイツ在住のトルコ人への二重国籍承認に反対の意向を示した。しかし、今後のさらなる統合協議では、ドイツ側だけが希望を述べるつもりはない。ここに住むトルコ人も自らの希望や考えを述べられるようにしたい、と首相は約束した。

メルケル首相は、トルコ語のテレビ局チャンネルDの創立10周年を記念して、メルフェルデン‐ヴァルドルフにあるドーガングループのトルコ出版センターを訪問した。

原題:Merkel weiter zuruckhaltend zu tuerkischem EU-Beitritt




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