2006年9月22日(金)19:04

メルケル独首相はEU拡大を制限する意向

AFP

ドイツのEU議長国就任を数ヵ月後に控え、アンゲラ・メルケル首相(CDU)は欧州連合拡大をさしあたり終結させるよう求めた。「近い将来、私たちは新たな新規加盟の約束をできなくなる」と首相はベルリンで開かれたベルテルスマン財団主催のフォーラムの基調演説で述べた。メルケル首相によれば、ドイツは2007年上半期のEU議長任期中にEU憲法を軌道に乗せる意向であるという。

欧州連合は「行動能力と競争能力の維持」を主眼に置く必要がある、とメルケル首相は新規の加盟約束に反対する理由を述べた。ただバルカン諸国はこの限りではない。またすでに予定されているブルガリアとルーマニアの加盟もこれには含まれない。メルケル首相はトルコとの加盟交渉を踏まえて、トルコ政府はEU加盟に求められるすべての基準を満たさねばならないと求め、これにはとりわけキプロス問題の解決が含まれると述べた。ロシアや地中海沿岸諸国、コーカサス地方の国々については、加盟交渉を伴わない、さらに密接な同盟の仕組みを考える必要がある、とメルケル首相は主張した。

さらにメルケル首相は、ドイツは議長国任期の終わりまでに、憲法批准プロセスを予定通り2009年までに完了させる、新たなタイムスケジュールを発表するつもりだと述べた。新たな憲法について内容的に言及するつもりはない。一つの立場に決めることは、ただちに「反射的な」拒絶反応を引き起こすことになる、と首相は語った。

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はフォーラムの席で、「拡大の新たな局面はEU諸機構の改革なしにはありえない」と述べた。委員長は議長国ドイツのもとでこの「EUプロジェクト」が前進するとの確信を表明した。日刊紙『ディー・ヴェルト』Die Weltに対し、ドイツEU議長のもとで「EU内の機構制度上の問題を解決するための重要な路線決定が行なわれる」可能性があると述べた。

欧州連合の将来を討議するベルテルスマン財団主催のフォーラムは今回で10回目を数える。ベルリンの外務省で二日間にわたって開かれるこの催しには、多くの国の大統領や首相が主席する。

原題:Merkel will EU-Erweiterung begrenzen




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