2006年9月30日(土)18:30
フランクフルト・アム・マイン(AP)
キプロスは、トルコとEU間のEU加盟交渉の継続に拒否権を行使するとあらためて警告した。キプロスのヨルゴス・リリカス外相は『フランクフルター・アルゲマイネ日曜版』Frankfurter Allgemeine Sonntagszeitungに、トルコがキプロス共和国を国際法上承認せず、自国の港湾をキプロスの船舶に開放しない限り、EU加盟国であるキプロスはトルコのEU加盟に反対の立場を取ると述べた。
リリカス外相は、トルコ政府はEU加盟の前提となる条件を拒否し、キプロス共和国の承認を拒んでいる。しかし全EU加盟国の承認は加盟の前提条件なのだ。「この問題では交渉の余地はない」。もし加盟25ヶ国がトルコのために例外を設ければ、EUは信頼性を失ってしまう、と主張した。
リリカス外相は、トルコは部分的に民主主義でないところもあるが、もし加盟を真に望み、真剣に改革を行なうならば、EU加盟は可能である。キプロスにとっては、大きな隣国がEUの一員となり、EU法を受け容れる国となれば、むしろ安心である、と語った。
キプロスは1974年以来南北に分断されており、北キプロスを国家として承認しているのはトルコのみである。南のキプロス共和国は2004年5月1日にEU加盟を果たした。
ドイツ政府はゲルノート・エルラー政務次官によれば、トルコ政府が関税協定の問題で早期に歩み寄りを示さない場合、キプロスが加盟交渉を阻止する可能性が高いと見ている。社会民主党(SPD)所属のエルラー政務次官は『シュトゥットガルター・ツァイトゥング』紙Stuttgarter Zeitungに、加盟交渉継続の決定は全会一致で行なわれねばならず、キプロスも他のEU加盟国と同様、交渉継続を阻止できる、と述べた。しかしエルラー政務次官はキプロスに対しても歩み寄りの姿勢を求めた。
原題:Zypern bekraeftigt Veto-Drohung gegen EU-Aufnahme der Tuerkei