2008年9月9日(火)18:29
ベオグラード(AFP)
セルビア議会は欧州連合との安定連合協定(SAA)を批准し、その直後にロシアとの重要なエネルギー条約も批准した。セルビアのミルコ・ツヴェトコヴィッチ首相は、セルビアは「欧州への統合と東方との経済協力」を望むと述べた。安定連合協定はEU加盟への最初のステップと見なされている。ロシアとの協定は、2013年以降ロシアと南ヨーロッパを結ぶ天然ガスパイプライン「サウス・ストリーム」South Stream に関するものである。
セルビア議会のスラヴィッツァ・ドゥキッチ=デジャノヴィッチ広報官によれば、議会の票決では136名の議員がEUとの協定に賛成し、反対は26名であったという。セルビア急進党(SRS)および月曜日に結成されたSRSのトミスラフ・ニコリッチ元党首率いる会派に所属する議員は票決をボイコットした。SRSはセルビア議会の第一党で、250議席中78議席を占める。しかし親EU派の連立政権は下院で過半数を維持している。
欧州委員会は協定の批准を歓迎する声明を発表した。オリ・レーン拡大担当委員のクリシュティナ・ナジ広報官は「良い報せ」と述べ、ラドヴァン・カラジッチ容疑者の逮捕を受けて、EUは中間協定に定められたセルビアに対する貿易障壁の緩和を実行に移すべきであるという欧州委員会の要求をあらためて強調した。しかしEU加盟国は安定連合協定をまだ批准していない。協定の発効には全加盟国の賛成が必要とされる。
とりわけオランダなどの国は、セルビアが同法廷に「全面的に」協力していると国連旧ユーゴ戦犯法廷のセルジュ・ブランメルツ主任検察官が認めない限り批准を行わないとしている。ブランメルツ主任検査官は水曜日にベオグラードを訪問する予定である。
一方、セルビアとロシアの1月の合意に基づき、セルビアは全長900kmのサウス・ストリーム・パイプラインの建設に協力することが決まった。このパイプラインは、EUの支援するナブッコ計画と競合する関係にある。同計画はロシアを迂回しカスピ海を通る天然ガスパイプライン計画である。セルビア議会はまた、セルビアの石油専売公社(NIS)の株51パーセントをガスプロム社の石油部門に売却するという1月の合意も承認した。
原題:Serbisches Parlament ratifiziert Assozierungsabkommen mit EU