2013年9月18日(水)

欧州委員会はクロアチアに対する制裁手続きを開始

犯罪者の身柄引き渡し問題でクロアチアに圧力

AFP

欧州連合加盟から3ヶ月もたたないうちに、欧州委員会は新規加盟国クロアチアに制裁を科す意向である。クロアチアが加盟交渉で合意されたように欧州共通逮捕状を実行に移さないため、欧州委員会は水曜日、制裁の手続きを開始した。これによりクロアチアには、来年度シェンゲン圏加盟に対する支援として支給予定の8,000万ユーロの補助金が取り消されるだけでなく、同国の内務・司法政策に対する厳しい監視も行われることになる。

欧州委員会のヴィヴィアン・レディング司法担当委員はすでに火曜日の段階で、このクロアチア政府に対する措置を発表しており、これにより制裁手続きが公式に開始されることになる。10就業日以内にEU加盟国はこれに対する意見を表明し、それを受けて欧州委員会はクロアチアに対する制裁を科す運びとなる。

発端となったのは、7月1日のEU加盟の3日前にクロアチアが発表した法案で、これは欧州共通逮捕状の適用を2002年8月以降の犯罪に限定し、容疑者の身柄引き渡しを拒むことができるとする内容である。これによりバルカン戦争(1991年〜1995年)時代が除外されるだけでなく、かつてのユーゴスラヴィアの秘密警察職員ヨシップ・ペルコヴィッチの事件も適用外となる。ドイツは1983年のバイエルン州におけるクロアチア人殺害の廉でペルコヴィッチの身柄引き渡しを求めている。

「欧州共通逮捕状に時間的制限を設けることはEU法に対する明白かつ重大な違反である」と欧州委員会は批判した。EUの圧力を受け、クロアチア政府は再度の法案修正の意向を表明したが、修正法案の発効は2014年7月15日となっている。「このような長い期間は許されるものではない」。クロアチアがこの夏、EU規定に違反する法案改正を行うのにはわずか数日しかかからなかったではないか。法の一致の回復もそれ以上時間がかかってはならない、と欧州委員会は述べた。

9月6日までにクロアチアに対して欧州共通逮捕状に基づく121件の要請があった、と欧州委員会はクロアチアの報告として発表した。そのうち、23件は2002年8月以前の犯罪である。したがって、クロアチア当局が欧州共通逮捕状を適用せずに済ませようとする犯罪は20件以上存在することになる。

原題:EU-Kommission leitet Sanktionen gegen Kroatien ein
EU-Neuling wegen Auslieferung von Straftaetern unter Druck




ホームへ戻る