2001年4月10日(火) 16:41

ドイツ連邦銀行はEU加盟候補国のユーロ早期導入に反対の意向

フランクフルト(ロイター)

ドイツ連邦銀行は欧州連合(EU)加盟候補国のユーロ早期導入に反対する意向を表明した。「現実的にはどの加盟候補国も最短待機期間の経過後に欧州通貨同盟に参加可能な条件をすべて満たすとは考えられない」と、火曜日発表されたドイツ連邦銀行の2000年業務報告書は述べている。EU新規加盟国はまず2年間欧州為替相場メカニズムに参加した後、はじめて欧州通貨同盟(EWU)への加盟が認められる。ドイツ連邦銀行の経済専門家も、個々の加盟候補国による一方的なユーロ導入に反対する姿勢を示した。「そのような『ユーロ化』は…加えて共同体の観点からも望ましくない」と報告書は記している。

2年間の最短待機期間では大方の場合不充分という予測の根拠として、連邦銀行は加盟候補国の一人当たりの収入の低さを挙げている。連邦銀行の見通しでは、EU加盟による生産性向上の促進は、その国の通貨の実質的為替相場を引き上げるが、これはまた、名目的為替相場の上昇あるいは平均的価格水準の上昇をもたらす可能性がある。そして時を置かずして続くその後の為替相場の凍結は価格に対する圧力を高めることになる、という。「このような条件のもとでは性急な欧州通貨同盟への加盟は加盟候補国にとっても通貨同盟の機能にとっても問題を抱えることになる」と連邦銀行の経済専門家は結論づけている。

昨年12月にドイツ連邦銀行総裁エルンスト・ヴェルテケは同様の発言を行ったため、EU加盟を求める国々から、ドイツ連邦銀行は欧州通貨同盟の加盟に新たなハードルを設けようとしていると批判を浴びた。これに対しヴェルテケ総裁は先日モスクワにおいて,加盟候補国に「誤った希望」を抱かせるのは正しいやり方ではないと反論を行っている。しかし反面この連邦銀行の報告書は、欧州委員会の発言を援用しながら、トルコを除くすべての加盟候補国が現在の時点でEU加盟に必要な政治的条件を満たしていることを認めている。

原題:Bundesbank gegen verfruehte Euro-Einfuehrung durch EU-Kandidaten




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