2001年4月28日(土) 19:16
ハンブルク(AP)
ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、ニュース雑誌『シュピーゲル』の情報によれば、欧州連合の根本的な改造をはじめて主張した。同誌が土曜日に伝えたところによれば、シュレーダー首相の主導のもとに作成された今秋の社会民主党(SPD)党大会向けの基調提案草稿は、欧州委員会を欧州政府に拡充し、強い権限を持つ閣僚理事会をドイツの連邦参議院と類似の国家議院Staatenkammerに組織替えすることを要求しているという。欧州議会のキリスト教民主同盟(CDU)はシュレーダーの提案を歓迎する旨を表明した。
首相提案によれば、欧州議会には完全な予算権が認められ、これにより欧州議会はEU予算の46パーセントを占める莫大な農業予算に関する権限も掌握することになる、と同誌は伝える。これに対し、構造政策など特定の権限は再び国民国家のレベルに移され、加盟国独自の地域政策および構造政策の余地が拡大されることになるという。
シュレーダー首相の提案は「まさに当を得たもの」である、とCDUのエルマー・ブローク欧州議員は『ベルリーナー・モルゲンポスト』紙(日曜版)で語った。要求通りの改革が実現すれば「各国の閣僚が理事会の会合で勝手に振る舞うことはできなくなる」。市民の間で欧州の受容度が低いのは、「難しい問題において、どのような理由でどの国がどのように票を投じたかが市民には分からないこと」にある。しかし国家議院になれば議論は公に行われ、議会中継のようにどの市民もテレビで議論を追うことができるようになる、と同議員は強調した。
ブローク議員が「実現不可能」と評したのは、数十億マルクもの構造改革助成金を廃止し、国民国家の権限に移管するというシュレーダー首相の考えである。拡大後も相応のEU助成金は必要である。さもないと東欧の貧しい国々を欧州連合に導くことはできない、と同議員は述べた。
これに対して、欧州議会のインゴ・フリートリヒ副議長からは批判が上がった。「ヨーロッパは決して超大国Superstaatとなってはならない。これは私たちの望むところではない」とキリスト教社会同盟(CSU)に所属する同副議長は同紙に語った。欧州連合は「スリムで、しかしながら行動能力のある国家連合Staatenverbund」とならねばならない。なぜならEU東方拡大後の5億もの人間は中央政府では統治できないからである、とフリートリヒは主張した。
原題:Schroeder fuer radikale Schritte zum Umbau der EU
Kommission soll zu Regierung und Ministerrat zu Staatenkammer werden - Beifall von der CDU im Europaparlament