2005年4月28日(木)20:30

ドイツのEU憲法批准は障害なし

ベルリン(AP)

ドイツでのEU憲法批准の道は障害がなくなった。ゲルハルト・シュレーダー首相は木曜日の晩ベルリンで連邦州の首相と会談し、州に対していくつか譲歩を行うことによって、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)の最後の懸念を取り除いた。批准のタイムスケジュールも承認された。連邦参議院は予定どおり、フランスの国民投票直前の5月27日に批准を完了することになる。

シュレーダー首相は各州に対して、州が決定に関与できる事項の定義を拡大して解釈することなどを約束した。加えて、連邦参議院を欧州司法裁判所の裁判官選出に参加できるとした。

バイエルンのエトムント・シュトイバー州首相は各州にとって「実質的な改善」が得られたと述べた。「重要なのは、5月27日に採決を行えるということだ」。私はキリスト教民主同盟・社会同盟が政権に就いている州に対して、このスケジュールを守るよう呼び掛けるつもりだ、と語った。

会談の直前までバイエルン州政府は批准の期日を遅らせるよう主張していた。これに対してシュレーダー首相は同州政府の手法を「地方根性」と非難し、各州首相との会談の意義を疑問を呈した。

ベルリンのクラウス・ヴォーヴェライト市長は、各州の態度にはEU憲法承認の意思を疑わせるものはなかったと述べた。「もちろん州のすべての要求が容れられたわけではない」。しかしいくつかの点で州の共同決定の余地が拡大された、と評価した。

連邦議会もEU決定に一層の関与を認められるべきというシュトイバー州首相の要求は容れられなかった。「この点では首相からは何の譲歩の姿勢も窺えなかった」。しかしキリスト教民主同盟・社会同盟が政権に就いたならば、これに添った提案を行うつもりだ、と州首相は語った。

EU憲法批准のためには、連邦議会および連邦参議院でそれぞれ三分の二の賛成が必要になる。ドイツ政府はフランスの国民投票の前に批准を行うことを重要視している。シュレーダー首相はこれにより隣国に対して良いシグナルを送れるものと期待している。これまでのところ各種世論調査ではフランスのEU憲法否決が予測されている。

連邦議会は、各州の代表から構成される連邦参議院が批准する前、5月12日に批准を行う。キリスト教社会同盟のペーター・ガウヴァイラー議員は批准の阻止を試みたが、連邦憲法裁判所は木曜日この請求を退けた。連邦議会の期日設定は議員の権利を侵害するものではない、と裁判官はその理由を説明した。

欧州議会のキリスト教社会同盟のマルクス・フェルバー議員団長は連邦憲法裁判所の決定を歓迎した。この決定はガウヴァイラー議員の見解が「まったく根拠のない」ものであることを示した。「目下連邦議会に提出されているEU憲法条約は通常の立法手続きに沿うものである」、と議員団長は声明を発表した。

原題:Weg fuer Ratifizierung der EU-Verfassung frei




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