2009年8月9日(日)18:45

CDUはリスボン条約付帯法案に関するCSUの要求を拒否

ベルリン(AP)

キリスト教民主同盟(CDU)はリスボン条約の新たな付帯法案に関するキリスト教社会同盟(CSU)の基本的要求を「非現実的」として拒否した。CDUのノルベルト・レットゲン議員団総務はフランクフルター・アルゲマイネ紙Frankfurter Allgemeine Zeitung(月曜版)に、オーストリアに倣って政府を議会に拘束することは不可能だ。そうなればEUにおけるドイツの役割は「周辺的なものに低下する」、と語った。あわせてレットゲン議員団総務は、この問題で政治的な動機に基づく判断を下したとして連邦憲法裁判所を非難した。

連邦議会によるドイツのEU政策の阻止を許してはならない。「EUを私たちが望むように、また私たちの求める高い水準で共に築いていくためには、ドイツ政府が最大限の柔軟性を保持する必要がある。」

レットゲン議員団総務はまた、ドイツのリスボン条約批准承認に国際法的な留保をつけるというCSUの考えも拒否した。CSUはローマへ供託する批准文書に国際法的な議定書宣言を付けるよう求めており、それも憲法裁判所の判断にかける必要があると主張している。

憲法裁判所の判断は国内の取り決めを求めただけであり、「私たちがEUに対して宣言を行わねばならない」などと要求しているものではない。もし加盟27ヶ国がそれぞれに独自の解釈を提出したりすれば、とても条約など結べるものではない。「これはリスボン条約の終わりを意味するだけでなく、欧州連合の終わりでもある」、とレットゲン議員団総務は警告した。

「憲法裁判所の判断は踏み込みすぎ」

レットゲン議員団総務は、権限の限界まで踏み込んだ判断を行ったとしてカールスルーエの憲法裁判所を非難した。なぜなら憲法裁判所はリスボン条約の司法判断に政治的な理由づけを行ったからである。「これによりカールスルーエは議会に対しても行き過ぎた判断を行った」、と議員団総務は批判した。

問題なのはカールスルーエの裁判官が「国民国家の主権とEUの主権行使」を「相反する対立関係」と捉えているところである。「私は国民国家のみに立脚する主権概念は時代錯誤であると考える」。「ここにはおなじみのドイツ連邦憲法裁判所と欧州司法裁判所の対立が透けて見える」、とレットゲン議員団総務は語った。

ドイツ連邦憲法裁判所は6月末の判決でEU改革リスボン条約を条件付きで承認した。裁判所は条約について憲法に合致していると認めたものの、重要なEU決定においてはドイツ議会の共同決定権を強化するよう要求した。したがってドイツは必要な法改正を行わねば、リスボン条約の法的承認が認められない。

連邦議会の各政党は(明日)月曜日に付帯法案についての協議を続ける。法案は10月1日の発効を目指している。連邦議会では8月26日に第1読会、9月8日に第2、第3読会が予定されている。レットゲン議員団総務はCDU・CSU議員団の立法手続きの責任者を務めている。

原題:CDU lehnt wesentliche CSU-Forderungen zum Begleitgesetz ab




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