2001年12月3日(月)18:49
ブリュッセル(ロイター)
EU議長国ベルギーによる欧州連合(EU)改革のための包括的な提案は、ラーケンのEU首脳会議を控え、EU各国政府からあまり抵抗なく受け取められたようである。「あるいはいくぶん調子を和らげる必要があるかもしれないが、誰も提案の書き直しを要求する者はいない」と月曜日、ブリュッセルのEU筋は、EU議長を務めるベルギーのギー・フェルホフスタット首相による、ラーケンEU首脳会議の声明文の草案について語った。フェルホフスタット首相は来週ラーケンで広範な改革議論を始める意向である。EUは一層民主的で効率的で透明になる必要がある、と首相は声明の草案で要求している。草案はまた、欧州委員会委員長の直接選挙やEU憲法も提案している。
フェルホフスタット首相は現在、ラーケン首脳会議の声明文草案を紹介すべく、EU各国政府を歴訪している。EU各国の首脳は12月14日と15日にラーケンでEU改革について協議する予定である。フェルホフスタット首相は草案の中で、来年に会議を発足させて協議せねばならないテーマを疑問文の形で列挙している。この会議の設置は、EU改革提案の検討に入れるよう、ラーケン首脳会議で決定されることになっている。文書によれば、欧州委員長の直接選挙およびEU憲法と並んで、フェルホフスタット委員会は、EUが拡大後も政治的麻痺に陥らぬよう、EUにおける各国の拒否権の削除に関しても協議する可能性がある。加えて、EUと加盟国間の権限分割も討議する予定である。欧州議会と各国議会の議員、各国政府の代表、および欧州委員会と欧州委員長の派遣する代理一名で構成される会議は、来年3月に発足し、EU改革の提案を検討することになっている。その後2004年にEU各国政府はこの改革案について決定を下す意向である。
イギリスのトニー・ブレア首相の広報官はフェルホフスタット首相との協議を終えて、イギリス政府はこの会議のアイディアを支持すると述べた。イギリス外務省の広報官は、政府は欧州委員長の直接選挙のアイディアを支持するものではないが、会議でEU憲法を議論することに何ら異存はない、と表明した。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、すでに木曜日にフェルホフスタット首相とベルリンで協議を終えて、私はすべての点に関してフェルホフスタット首相と意見が一致していると述べている。フィンランド政府も自らの表明によれば、この草案に特に大きな異論はないという。フランスのジャック・シラク大統領の広報官は、草案を欧州の将来をめぐる議論にとって「有意義な出発点」と評した。外交筋の伝えるところによれば、フランスとの間では小さな意見の相違があったのみであるという。したがって改革会議の委任事項はあまり厳しく限定してはならないと外交筋は述べている。
原題:Belgische EU-Reformvorschlaege stossen auf wenig Widerstand