2001年12月16日(日)09:20

改革会議が新たな歯車を考案することに

EUは抜本的な改革に向けて努力 ‐ フェルホフスタット首相:「何一つタブーを残してはならない」‐ブレア首相は欧州超大国化に警鐘

AP通信員クラウディア・ケマー

ブリュッセル(AP)

欧州連合は進捗していない。過去数年間の改革の試みは道半ばで頓挫した。最大で12ヶ国に及ぶ拡大と外からの国際テロの脅威に直面して、EU各国首脳はここで新たな方策を試みる。すなわち各国政府、議会および欧州連合の100名以上の代表から成る会議が一年以内にその名に相応しい機構改革案を提起することになった。「一切のタブー」を設けてはならないとベルギーのギー・フェルホフスタット首相は勧告した。

土曜日ブリュッセル近郊の王宮での首脳会議においてEU各国首脳が採択した「ラーケン宣言」は、EUの状況を激しい言葉で描写している。「創立から50年を経た欧州連合は岐路に立っている。すなわちその歴史における決定的瞬間を迎えているのだ。」この言葉は欧州統合プロジェクトの失敗の可能性も排除していない。

交渉のテーブルに着いた出席者は全員明確に理解していた。もし機構改革が成功しなければ、じきに30ヶ国を抱えるEUは機能不全に陥るであろうと。もしEUと加盟国の権限が明確に分割されなければ、欧州連合は暴威を振るう官僚的統制の前にますます市民から遠ざかってしまうであろうと。そしてもしEUの諸条約が一種の憲法へと編成替えされることがなければ、統合の深化はお題目にとどまることになると。

ラーケン宣言の条文には改革会議が新たに歯車を考案せねばならないかのような響きがある。これまで効率的で正しいと見なされてきたものも何一つ除外されることなく、検討の対象となる。欧州議会、欧州委員会および閣僚理事会の役割とチームワークしかり、各国議会の共同決定権の可能性しかり、議長国の輪番制しかり、立法手続きと議決方法しかり。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相が改革会議に期待しているものは、名指しこそ避けながらも、ほかならぬ憲法の検討である。憲法と明言するのを控える背景には、ドイツほどあっさり統合の推進を了承できない加盟国があるからである。

その立場を最も顕著に代表するのがイギリスのトニー・ブレア首相である。ブレア首相はフェルホフスタット議長に「もちろんどんなテーマもタブーではない」と賛同したものの、同時に、連邦制をとる欧州超国家の誕生に警鐘を鳴らした。ブレア首相は、イギリスとフランスは同じ路線を歩んでいる。すなわち超国家ではなく国民国家の連合である、と強調し、それゆえ私はEU首脳が土曜日に改革会議の議長に任命したフランスのヴァレリー・ジスカールデスタン元大統領の大きな野心にも何ら懸念を抱いていない、と述べた。

「欧州統合推進派のチーム」が憲法草案を提案

フェルホフスタット首相は、ジスカールデスタン議長とジュリアーノ・アマート前イタリア首相およびジャンリュク・デハーネ前ベルギー首相の両副議長に大きな期待をかけている。「彼らはきわめて欧州統合に積極的な考えの持ち主である」と3人の正副議長を評した。欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長も「欧州連合の諸機構の仕事を内側から熟知している強力なチーム」と評した。

シュレーダー首相は改革会議の検討結果が「大きな成果」をもたらすことを期待しているが、同会議は2004年のEU拡大前に最終決定を下さねばならない政府協議に裁量の余地を残している。シュレーダー首相も改革会議の任務が法的拘束力を持つものでないことを十分承知している。しかし首相が期待するのは、会議の提案がその広範な社会的影響力により、事実上の規範的な効力を発揮する点である。構成上の唯一の弱点は、改革会議の終了からEU改革を討議する政府協議の開始まで、時間が開き過ぎることである。そうなれば議論の挙句に提案がつぶされる恐れも生じる。そこでEU各国首脳は、当初2003年の6月に定めていた改革会議の検討期限を廃止することを決定した。

原題:Ein Konvent soll das Rad neu erfinden
EU strebt tiefgreifende Reform an - Verhofstadt : Nichts darf tabu bleiben - Blair warnt vor europaeischem Superstaat
Von AP-Korrespondentin Claudia Kemmer