2003年12月19日(金)16:11

フィッシャー外相はEU憲法の成立を勝ち取る意向

ベルリン(AP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は、政府協議の決裂にもかかわらず、EU憲法を成立へと導く意向である。緑の党所属の同外相は連邦議会の緊急討議で、先週のブリュッセルEU首脳会議の失敗は極めて残念であったと認めた上で、異論のある決定方法の問題は解決する必要がある。拡大後のEUは現在のように「少数の阻止派」ではなく、「多数の建設派」が支配するものに変わらねばならない、と発言した。

フィッシャー外相のこの発言は、連邦政府の欧州政策に対する野党の批判に応えたものである。自由民主党(FDP)のヴォルフガング・ゲアハルト議員団長とキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)連邦議会議員団のペーター・ヒンツェ欧州政策広報官は、スペインとポーランドのEU憲法草案に対する拒絶とドイツの安定協定違反との間に因果関係があると主張し、これは中小国の間でドイツに対する信頼が失われ始めたことを示すものである。この問題でのドイツとフランスの共同歩調も一定の影響を及ぼしており、中小国はないがしろにされたように感じたのである、と政府を批判した。

フィッシャー外相はこの批判を退けた。外相は、現在効力を持つ決定方法はニース条約で定められたものであると述べ、これを「不充分」と評した。このような2001年のニース条約が成立したのは、当時ドイツ・フランス間に合意がなかったためである、と反論した。外相は安定協定に関する論拠も退けた。安定協定の問題は憲法草案をめぐる交渉ではまったく議論にのぼらなかったのだ。「あなた方は夢の国においででしたが、私はブリュッセルの交渉の場にいたのです」と批判の相手に対して呼びかけた。

発売前に公表されたハンブルクのニュース雑誌『シュピーゲル』Der Spiegel のインタビューで、フィッシャー外相はポーランド政府に対して再考を求めた。肝心なのは欧州理事会で多数の建設派になることであり、これはポーランドの利益にもかなう、と外相は語った。

しかしながら万一欧州憲法が破綻することになれば、無論二つの速度のヨーロッパが生まれるおそれがあると外相は述べた。「安全保障や防衛政策、内政や司法および法律の分野の協力をさらに進めたいと思う国々は、欧州憲法が破綻すれば先に進むことになろう。こうした国々は、欧州全体として行動できる機構組織の実現が不可能と判断したならば、いっそう断固として先行することになるだろう」というフィッシャー外相の発言を同誌は引用している。

原題:Fischer will Erfolg der EU-Verfassung durchfechten




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