2005年12月2日(金)14:00

ブレア首相のEU中期予算案は抵抗に遭う

ロンドン/ブダペスト(ドイツ通信社 dpa)

イギリスのトニー・ブレア首相は、いまだ秘したままのEU中期予算案で強い抵抗に遭っている。異論のあるイギリスの拠出金割引を削減すると伝えられたことについては、イギリス国内で激しい批判の声があがった。

野党の保守党は、EU諸国とりわけフランスの圧力に屈したとして政府を非難した。ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキアでもブレア首相の予算案は懐疑的に受けとめられた。

ロンドンでは保守党のマイケル・ハワード党首が、EU予算改革で重大な怠慢を犯したとして政府の責任を追及した。EU議長の任期終了を目前に控えた政府に、EU予算ならびに農業補助金の抜本的な改革を成し遂げることができなくなったのは誰の目にも明らかだ。イギリスの拠出金割引はEU予算をめぐる議論を合意に導くための「餌」なのだ、とイギリスの各紙は金曜日ハワード党首の発言を報じている。

『フィナンシャル・タイムズ』紙の報道によれば、ブレア首相はイギリスの拠出金割引額を年間でおよそ15億ユーロ削減することを検討しているという。今年の割引額はおよそ50億ユーロにのぼる。同紙によれば、イギリス政府は暗礁に乗り上げた2007年から2013年のEU中期予算交渉を合意に導くため、譲歩する用意があるという。ブレア首相はバルト三国との話し合いで、EUの歳出総額を抑制するためEU補助金の10パーセント削減に応じるよう求める意向であり、その見返りとしてイギリスは拠出金割引の一部放棄に応じる構えであると同紙は報じている。

この間ブレア首相はブダペストに向かい、中期予算案への支持を求めた。しかしいわゆる「ヴィシェグラード四ヶ国」の首脳、すなわちハンガリーのフェレンツ・ジュルチャーニ首相、ポーランドのカジミエシュ・マルチンキエヴィッチュ首相、チェコのジリ・パロウベク首相、およびスロヴァキアのミクラーシュ・ズリンダ首相に対して、新規加盟国への構造改革基金の削減の必要性を納得させることはできなかった模様である。「三頭の『聖なる牛』すなわちイギリスの拠出金割引、共通農業政策、構造改革基金は一体として検討されるべきである」。「どれか一つだけ取り出して議論するのは認められない」、とジュルチャーニ首相は語った。

この前日、エストニアの首都タリンでバルト三国の首相に対して自らの予算案を説明したブレア首相は、来週月曜日にこの予算案を正式に発表する意向である。これは12月7日に開かれるEU外相理事会の議論の叩き台になる。EUは12月15日と16日のブリュッセル首脳会議までに、2007年から2013年の中期予算計画の合意を図ることを期待している。

原題:Blair stoesst mit EU-Finanzkompromiss auf Widerstand




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