2005年12月2日(金)15:40
ブダペスト(AP)
欧州連合の中期予算問題をめぐる早期合意はいよいよ難しくなった。EU議長を務めるイギリスのトニー・ブレア首相は金曜日ブダペストを訪問したものの、新規加盟諸国が補助金の削減に応じる見込みがないことが明らかになった。ブレア首相とハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキアのいわゆるヴィシェグラードグループとの会談の後、ハンガリーの・フェレンツ・ジュルチャーニ首相は「我々は今日の時点では合意にはほど遠い」と語った。
ブレア首相は来週スリム化したEU予算案を提示すると約束したが、これは東欧の新規加盟国が援助を受ける、いわゆる構造改革調整基金の削減を図るものではない、と述べた。しかしジュルチャーニ首相はこの基金は削減してはならないと強調し、「新規EU加盟国だけが代償を払うことは認められない」と釘を刺した。
一方ブレア首相は、12月15日と16日の次期ブリュッセルEU首脳会議で合意が得られなければ2006年中にも妥結しない可能性があると警告し、その場合新規EU加盟国は構造改革調整基金から当初の見込額の三分の一しか支給を受けられない恐れが出てくると警告した。
論議されているのは2007年から2013年のEU中期予算計画である。イギリスは予算改革の一環として潤沢な農業補助金の削減を求めているが、フランスはこれをきっぱりと拒否している。6月のEU首脳会議はこの問題で決裂したが、解決のために残された時間はあと2週間しかない。このため議長国イギリスには会議の成功に向け圧力がかかっている。
少なくともブレア首相は、イギリスの拠出金割引の問題でもはや譲歩を拒否することはないと見られている。ロンドンの大衆新聞『デイリー・メイル』紙は金曜日、イギリスのEU拠出金を約10億ポンド(14.5億ユーロ)増額する意向を示したとしてブレア首相の裏切りを非難した。イギリスは1984年以来数十億ユーロの拠出金割引を認められている。これは時のマーガレット・サッチャー首相が、農業補助金の受給額が少ないイギリスに対する補償として獲得したものである。
『デイリー・メイル』紙によれば、ブレア首相は農業補助金が削減されない場合でもイギリスの拠出金割引の削減に応じる意向であるという。しかしブレア首相はブダペストで、私は拠出金割引を放棄するつもりはないと強調した。その一方で首相は、イギリスはEU拡大のコストを負担しなければならない。その用意はある、との見解も繰り返したが、詳細については触れなかった。
ブレア首相は他のEU加盟国の首脳から、EU予算の交渉の進め方についてこれまでたびたび厳しい批判を浴びている。もし農業予算での譲歩を取り付けることなしにイギリスの拠出金割引の削減に応じたならば、今度は内政上難しい問題に直面することになる。野党保守党のマイケル・ハワード党首は金曜日BBCラジオで、ブレア首相はEU予算の抜本的改革という大きなチャンスを逸したと批判した。
原題:Einigung im EU-Haushaltsstreit in weitere Ferne gerueckt