2005年12月6日(火)17:14

イギリスのEU中期予算案は批判を浴びる

ブリュッセル/ベルリン(AP)

EU中期予算をめぐり、EU議長国イギリスの提案に対する批判の声はますます高まっている。いくつかの加盟国は火曜日この提案をきっぱりと拒否した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相はベルリンで、予算案には「依然多くの改善点」があると述べた。欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長もブリュッセルでこの予算案をあらためて「受け容れられない」と評し、来週のEU首脳会議で合意が得られるよう修正を勧告した。

メルケル首相は、ドイツの観点からは修正が必要と考えられると述べ、新規加盟国の扱いも議論されねばならないと主張した。私はこの問題をフランスのジャック・シラク大統領のベルリン訪問の際に協議するつもりだ。EUは予算問題で前進しなければならない。しかし合意に至るにはなお困難な道のりが控えている、と首相は語った。ドイツのペール・シュタインブリュック財務相はブリュッセルで、金額の面では今回の提案はドイツにとって「それほど」以前の提案と異なるものではないと述べた。

月曜日に発表された予算案では2007年から2013年のEU予算は総額で8468億ユーロ、加盟国の国民総所得比で1.03パーセントとなり、当初案よりもおよそ250億ユーロの削減となっている。新規加盟10ヶ国に対する構造改革補助金は約10パーセント削減されることになる。イギリスのEU拠出金は従来よりも80億ユーロ増えるものの、異論のあるイギリスの拠出金割引制度自体は維持される。

ポーランドのカジミエシュ・マルチンキエヴィッチュ首相は、この予算案をあらためて「受け容れられない」と批判した。しかし私は首脳会議の合意を望んでいると首相はワルシャワで語った。「私たちはまだこの予算案を修正することが可能だ。だが時間の制約のため、可能性はしぼんでいく。」ハンガリーのフェレンツ・ジュルチャーニ首相も修正を勧告した。「私たちには予算案が必要であるが、この案ではない」と首相はブダペストで語った。エストニアのアンドルス・アンシプ首相も予算案をEUにとって役立たないとして批判した。

チェコのボフスラフ・ソボトカ財務相は、節約が新規加盟国に対して行われることに失望を表明した。「しかし削減後も構造改革調整基金は私たちにとって巨額である」と財務相はブリュッセルで語った。デンマークのアンデルス・フォー・ラスムッセン首相も構造改革調整基金の削減提案を批判した。

批判の声はスウェーデンからも上がった。TT通信社によれば、イェーラン・パーション首相は「これは良い提案ではない」。だが歳出を抑制するのは良い方向であると語った。

スウェーデンは自国の実質負担額の明確な削減を求めている。そのためパーション首相は6月の首脳会議ではイギリス、オランダ、スペイン、フィンランドと同様、当時のルクセンブルク議長の予算案に反対していた。

欧州委員会のバローゾ委員長の広報官ヨハネス・ライテンベルガーは、イギリスはさらなる拠出金割引幅の縮小を受け容れねばならないと述べた。数ヶ国の財務相はこの提案がとりわけイギリスに有利な内容になっていると批判した。「明らかにイギリスはこのイギリス案で最も大きな恩恵を受ける」とオーストリアのカールハインツ・グラッサー財務相は語った。スペインのペドロ・ソルベス財務相も「これはすばらしい妥協案だ。ただしイギリスにとって」と述べた。

この予算案は(明日)水曜日にブリュッセルで開かれる臨時EU外相理事会で協議される。議長国イギリスは来週木曜日と金曜日にブリュッセルで開かれる首脳会議で合意を図る意向である。

原題:Londons Vorschlag zu EU-Finanzen unter Beschuss




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