2005年12月8日(木)21:27

メルケル首相とシラク大統領はブレア首相のEU中期予算案に反対

ベルリン(AFP)

ブリュッセルのEU首脳会議を一週間後に控えて、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのジャック・シラク大統領は、EU中期予算問題の合意は前途遥遠との見解を表明した。両首脳はベルリンでの非公式会談で、EU議長国イギリスの妥協案を拒否した。メルケル首相はイギリス案について「提示された内容ではまだ不十分」と述べた。シラク大統領は「不満足」と評した。

メルケル首相とシラク大統領はグリーニケ宮殿で会談し、2007年から2013年のEU中期予算への対応を調整した。会談にはドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党)とフランスのフィリップ・ドストブラジ外相も出席した。

メルケル首相は、来週のEU首脳会議で合意するためには「なお多くの課題を果たす必要」があると述べた。首相は「私たちは合意のチャンスを活かさねばならない」と加盟国に歩み寄りを呼びかけた。また、性急に評価を下せば交渉が困難になると述べ、イギリス案の個々の点を取り上げて評価することを戒めた。

シラク大統領はイギリスに対し、長期的にEU拠出金割引の削減に応じるよう求めた。「どの加盟国も拡大のコストを公平に負担することが重要だ」と大統領は主張した。

イギリスの中期予算案では、新規加盟国への構造改革補助金の削減などにより、歳出総額が従来の議論と比べておよそ200億ユーロ縮小されている。引き換えにイギリスは拠出金割引額の削減で譲歩を申し出た。しかしこの間、数多くのEU加盟国から強い批判を受けて、イギリス政府は予算案を再検討し、あらためて提案を行うと発表した。

原題:Merkel und Chirac gegen Blairs Budget-Vorschlag




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