2005年12月9日(金)19:16

EU中期予算の合意をめぐり綱引き

ロンドン/ブダペスト(AP)

ブリュッセルのEU首脳会議を一週間後に控えて、EU中期予算問題の解決に向けた外交的駆け引きが精力的に行われている。EU議長を務めるイギリスのトニー・ブレア首相は金曜日、EU各国の首相と個別会談を行い、引き続き妥協を模索した。ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は訪問先のブダペストで合意の必要性を強調した。イギリスの予算提案に対する批判の声は依然収まらない。

ブレア首相は来週新たな提案を行うと発表した。しかしこれは原則的に現在の案と大きく変わるものではない。イギリス政府による拠出金割引の放棄は、共通農業市場の抜本的改革が行われない限りありえない、と首相は強調した。しかしフランスはこれを再度きっぱりと拒絶した。6月のEU首脳会議が決裂したのもこの問題である。

シュタインマイヤー外相はハンガリーのフェレンツ・ショモジ外相との会談を終えて、欧州連合は2007年から2013年の中期予算の合意がなければ大きな負荷にさらされるだろうと警告した。ドイツは合意のために自国のEU拠出金の増額を検討する可能性はあるかとの質問に対して、社会民主党(SPD)所属のシュタインマイヤー外相は、この点では検討の余地はない、これは内政的に不可能である、と答えた。

欧州委員会のベニータ・フェレロヴァルトナー外交担当委員は、現在のイギリスの予算提案を不十分と批判した。この予算案ではすべての必要な投資をまかなえなえず、とても意欲的とは言えない、と委員はパリの記者会見の席で語った。イギリス案では2007年から2013年のEU予算は従来の計画よりも総額でおよそ250億ユーロ削減されている。削減はとりわけ新規加盟諸国のEU統合を図る構造改革調整基金に向けられており、これに対し新規加盟国政府からは強い反対の声があがった。

しかし旧加盟国からも多くの批判が寄せられた。アイルランドのバーティー・アハーン首相はフランスのジャック・シラク大統領と同様、共通農業市場の早急な改革に強く反対した。ギリシャのコンスタンティノス・カラマンリス首相はEU拡大コストの公正な負担を要求した。スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ首相はイギリス案の修正を求めた。イギリスの拠出金割引制度に対しては繰り返し厳しい批判が浴びせられた。

原題:Ringen um Einigung im Haushaltsstreit der EU




トップへ戻る