2005年12月13日(火)22:30
ベルリン(AP)
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ブリュッセルのEU首脳会議ではEUの中期予算問題をめぐって厳しい交渉が行われるとの予測を表明した。首相は火曜日の晩、ベルリンでオランダのヤン・ペーター・バルケネンデ首相との会談を控え、「私たちは成果を求める。だがどんな犠牲を払っても良いというわけではない」と語った。両首脳は両国のEU実質負担国としての立場に言及した。議長国イギリスは(明日)水曜日にEU中期予算に関する新たな提案を発表する意向である。
これについてトニー・ブレア首相の広報官は火曜日の晩、ジャック・ストロー外相は妥協案を提示する予定であると認めた。しかし新提案は最初の案とほとんど変わらない内容と見られる。これは『ノイエ・オスナブリュッカー・ツァイトゥング』紙Neue Osnabruecker Zeitungがイギリスのサー・ピーター・トリー駐ドイツ大使の発言として伝えたもの。同大使は「交渉の媒介変数はきわめて小さい」と語ったという。
メルケル首相とバルケネンデ首相の会談は、木曜日にブリュッセルで始まる首脳会議の準備に向けたものである。両首脳の会談はメルケル首相の就任後初めてとなる。「私は難しい交渉になると見ている」。合意の余地はきわめて限られている。歩み寄りの際にはそれぞれの加盟国が自らのアイデンティティーを再確認しなければならない、とメルケル首相は語った。しかし首相は決裂を招かぬよう警鐘を鳴らした。決裂となればEUは憲法危機に続き、困難な状況から脱出できなくなる、と首相は警告した。ルクセンブルクが議長国を務めた6月の首脳会議では予算問題の合意が得られなかった。
バルケネンデ首相も、合意が必要なことは誰も分かっていると強調した。「なぜなら私たちはこれ以上危機を抱えられないことを承知しているからだ」。合意形成は容易なものではないだろうが、オランダは合意に向けて相応の貢献を行うつもりだ、と首相は述べた。しかし一方で首相はオランダが国内総生産当たり最大の実質負担国であることを指摘し、「この状況を変えることが不可欠だ」と主張した。
イギリスの前回の予算案ではEUの歳出総額の削減が図られたが、削減分は新規加盟国の負担増とされた。この提案は厳しい批判にさらされた。イギリスはEUの農業支出が削減されない限り、イギリスの拠出金割引の永続的放棄に応じられないと主張している。しかしEU農業予算は2013年まで決定済みである。
原題:Merkel erwartet harte Verhandlungen beim EU-Gipfel