2005年12月14日(水)12:38

欧州議会の各会派は議長国イギリスを批判

ストラスブール(AFP)

EU首脳会議を翌日に控えて、欧州議会ではすべての重要な会派が議長国イギリスに対し異例の厳しい批判を行った。演説に立った数多くの議員が、2007年から2013年のEU中期予算問題におけるイギリス政府の頑なな態度を非難した。欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長はあらためて首脳会議の決裂を強く警告した。どんな遅延もEUの計画が実行に移せなくなることを意味する、と委員長は述べた。

イギリスのダグラス・アレキサンダーEU担当相は、イギリス政府が発表する「修正提案」もEU加盟国に「課題」をつきつけることになると述べた。しかしこの修正提案が「合意に向けた唯一の土台」である。イギリスは首脳会議に「柔軟にビジョンを持って臨む」つもりであるが、合意は「難しいものとなろう」、と語った。

欧州国民党(EVP)のハンスゲルト・ペッテリング議員団長はイギリス政府に対しイギリスの拠出金割引で譲歩するよう求めた。この割引制度は「もはや時代に合わず」、長期的には完全に廃止されなければならない、とドイツのキリスト教民主同盟(CDU)所属のペッテリング議員団長は主張した。

欧州社会民主党のマルティーン・シュルツ議員団長(ドイツ社会民主党)はトニー・ブレア英首相をタイタニック号の船長になぞらえた。ブレア首相は氷山に向かって一直線に突き進んでいる。だが今ならまだ進路を変えることができる。「氷山を回避しなさい。さもないとEU議長国イギリスという船ばかりか、私たち欧州の全員が転覆してしまう」。しかしこの危機の責任は、自国の利害しか考えない他のEU加盟国の政府も負う、とシュルツ議員団長は警告した。

イギリス政府は「昨日の政治」を提案している。これはイギリスが改革のメスを入れようとした農業などに当てはまる、と欧州議会緑の党のダーニエル・コーンベンディート共同代表は批判した。ポーランド出身のブロニスラフ・ゲレメク自由党議員はイギリスの削減案を「豊かな大国の国家的エゴイズム」の現れとして厳しく批判した。

イギリスが12月初旬に提案した最初の中期予算案はEU加盟国の多数から拒否された。イギリスは自国の拠出金割引では割引額の削減を申し出たものの、加盟国の多くは「不十分」と批判した。イギリスのジョン・ホームズ駐仏大使によれば、イギリス政府は第二の予算案で新規加盟国の補助金を「若干上積みする」意向であるという。

原題:Kritik im EU-Parlament an britischem EU-Vorsitz




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