2005年12月15日(木)18:58

EU首脳会議は中期予算計画を協議

ブリュッセル(AP)

巨額のEU中期予算計画をめぐる綱引きは最終段階に入った。EU各国首脳は木曜日の晩ブリュッセルに集い、妥協点を模索すべく首脳会議を開始した。EU議長を務めるイギリスのトニー・ブレア首相は、「きわめて厳しく困難な」協議になると予測していると述べた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、妥協に向けて尽力するが「どんな犠牲を払っても合意する」ことは求めないと語った。

ブレア首相は公式の首脳会議の開幕の前に、フランスのジャック・シラク大統領と二国間協議を行った。シラク大統領は引き続きメルケル首相とも協議した。メルケル首相は「合意を得ることはドイツの利益に叶う」。とりわけ新規加盟国の再建のために、ドイツにとってもEUの資金援助に関する確実な計画が必要となる。だが負担はあまり大きくなってはならない、と語った。

ブレア首相は、イギリス政府は「合意を導くために最大限努力する」つもりだと述べた。あわせて首相は、新規EU加盟国には「発展のための可能性が与えられねばならない」。しかし中長期的にはEU予算の抜本的改正が必要なのも明らかだ、と語った。

膠着した状況を打開するためには、とりわけブレア首相とシラク大統領の合意が必要となろう。議論の的となっているのは、1984年以来イギリスに認められている巨額のEU拠出金割引制度の今後である。ブレア首相は農業予算が現在の高い水準で固定されている限り、この制度を維持するつもりである。農業予算は2013年までの固定化がすでに決まっている。

しかしブレア首相は、イギリスの拠出金負担を2007年から2013年まで総額で80億ユーロ増額する意向を示している。加えてEUの予算構造を2008年から2009年には再検討するよう強く主張している。フランスがこれを受け容れるのは、予算改革を2014年以降に実施するという条件がついた場合に限られると見られる。しかしブレア首相は早期改革の可能性だけは確保したい意向である。

フランスのフィリップ・ドストブラジ外相は、EU拡大コストの公正な負担から逃れているとしてイギリス政府を非難した。ベルギーのギー・フェルホフスタット首相も新規加盟国と「予算問題で一層の連帯」を図るよう主張した。

イギリスの予算提案によれば、2007年から2013年のEU予算は総額で8493億ユーロとなり、これは加盟国の国民総所得比で1.03パーセントとなる。6月のEU議長国ルクセンブルクの予算案は総額を8710億ユーロとしていた。ブレア首相は新規加盟国向けの構造改革調整基金で節約を図る意向で、これをおよそ120億ユーロ減らし、1510億ユーロに縮小するとしている。

このためポーランドのカジミエシュ・マルチンキエヴィッチュ首相はフランスに対し、イギリス政府への圧力を強めるよう求めた。ハンガリーのフェレンツ・ジュルチャーニ首相は「私たちは現在の予算案の量的および質的修正を望む」と要求した。チェコのジリ・パロウベク首相は「解決を図ることは私たちの利益に叶う」と述べ、合意を勧告した。

デンマークのアンデルス・フォー・ラスムッセン首相はブレア首相に対し、新たな提案を発表するよう求めた。「私たちは新規加盟国に対する予算の修正が必要だ。そしてこの資金はイギリスの拠出金割引額の削減でまかなわれねばならない」とラスムッセン首相は主張した。スウェーデンのイェーラン・パーション首相は、性急な決定を行う理由はない。「私たちは良い解決が必要なのであって、強いられた解決ではない」、と語った。

原題:EU ringt um milliardenschwere Finanzplanung




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