2005年12月16日(金)17:48

メルケル首相の提案がEU首脳会議を動かす

ブリュッセル(AP)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はEUの予算総額の増額を提案し、膠着したブリュッセルEU首脳会議の中期予算交渉を動かした。首相は金曜日、2007年から2013年の予算を8620億ユーロに増額する提案を行った。最初の反応は良かったと代表団筋は伝えた。しかし将来の農業支出とイギリスの拠出金問題をめぐるフランスとイギリスの論争は今のところ和解の兆しが見えない。

ドイツの政府筋の情報によれば、ドイツは2007年から2013年の予算総額を132億ユーロ上乗せし、加盟国の国民総所得比で1.045パーセントに増額することを受け容れる用意があるという。これは「譲り合いの呼びかけ」であると政府筋は伝えた。議長国イギリスの最新の提案では総額を8490億ユーロ、国民総所得比で1.03パーセントとしていた。ドイツの政府筋は、昨夏のルクセンブルク議長の提案は8710億ユーロであり、メルケル首相の提案は依然これをはるかに下回ると強調した。

ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は、合意が得られるとの「ある程度の確信」を持っていると述べた。伝えられるところによれば、フランスのほかドイツやポーランドなどが議長を務めるイギリスのトニー・ブレア首相に対し、イギリスの拠出金割引をさらに縮小するよう強く迫ったという。一方イギリス政府はEUの予算政策を遅くとも2008年には修正するよう要求したが、フランス政府はこれを拒否した。

この日の午後、ブレア首相は加盟国との二国間協議を続けた。夜には議長国の新たな提案が行われる見込みであり、これを受けて各国首脳が再び一堂に会し、議論を行う予定である。いわゆる修正条項をめぐるブレア首相とシラク大統領の合意が予算問題解決の前提条件と見られる。ブレア首相は2013年の予算期間満了前にも農業支出を引き下げる可能性を認めるよう強く求めている。シラク大統領は今のところこれを断固拒否している。

スウェーデンのイェーラン・パーション首相は合意の可能性を依然五分五分と見ている。しかし私は昨晩よりも少し悲観的になったと首相は述べた。ブレア首相と同じくパーション首相も時代に合った予算構造を求めている。しかしイギリスも同じように譲歩し、拠出金割引の大部分を放棄する必要がある、とパーション首相は語った。

代表団筋の情報によれば、フランス、ドイツ、ポーランドはイギリスに対し、2007年から2013年まで総額で110億ユーロの割引額削減を受け容れるよう強く迫り、この削減分を新規加盟国の構造改革基金に回すよう求めたという。これまでブレア首相は80億ユーロの削減を申し出ていた。

ポーランドのカジミエシュ・マルチンキエヴィッチュ首相は、私はメルケル首相、シラク大統領、およびユンケル首相と、予算総額を国民総所得比でおよそ1.05パーセントに増額する提案を行ったと述べた。これにより新規加盟国に対する構造改革基金を上積みする意向である。ラトヴィア、リトアニア、エストニアも同じ要求を行った。

私は交渉ではドイツの利益を代表するとの決意を固めているとメルケル首相は述べた。ドイツは最大の実質負担国として「予算の節約も」図らねばならない。加えてドイツ政府には東ドイツへのEU補助金に関し特定の要求もある、と首相は語った。これまでの予算案では2007年から2013年まで東ドイツに130億ユーロの補助金支給が計画されている。

原題:Merkel-Vorstos bringt Bewegung in EU-Gipfel




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