2005年12月17日(土)04:18

EU首脳会議は中期予算計画で合意

ブリュッセル(AP)

およそ30時間におよぶマラソン交渉の末、EU首脳会議は中期予算問題で打開に漕ぎ着け、危機の深刻化を回避した。EU各国首脳は金曜日から土曜日にかけての晩、2007年から2013年のEU中期予算を総額で8624億ユーロ、加盟国の国民総所得比で1.045パーセントとすることで合意した。EU議長を務めるイギリスのトニー・ブレア首相は、妥結は「EUの前進」をもたらすだろうと述べた。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は「EUの発展にとり希望のシグナル」と述べた。妥協案は「良い中道」であり、ドイツの利益に叶う。「私たちの財務大臣に胸を張って報告できる」成果が得られた。6月にイギリスの反対で決裂したルクセンブルク案に比べ、「少なくとも10億ユーロの節約を引き出すことができた」。東ドイツの諸州には2250億ユーロの補助金上積みが得られ、これは柔軟に支出できることになった、とメルケル首相は語った。

フランスのジャック・シラク大統領は「EUにとって良い結果」が得られたと述べた。ブレア首相は「知性と勇気を存分に発揮し」合意を導いたと大統領は評価した。EU各国首脳はメルケル首相の提案に沿う形で、ブレア首相の最終提案に132億ユーロを上積みした。増額分はその大部分が新規加盟国への補助に向けられる。異論のあるイギリスの拠出金割引制度は差し当たり変更されない。

しかしブレア首相は、現行より総額で105億ユーロの拠出金増額に応じる旨を表明した。当初イギリスは80億ユーロの増額しか申し出ていなかったが、他のEU加盟国から少なすぎると強い批判を受けていた。ブレア首相はこれによりイギリスはEU拡大コストを公平に負担すると述べる一方、農業補助金など他のEU支出に対するイギリスの割引は維持されると強調した。

加えてブレア首相は合意された修正条項に言及した。これによれば欧州委員会は2008年から2009年に予算改革案を策定する。そして加盟国の全会一致で、直ちに改革を実行に移すか2014年以降の次期予算期間から改革するかを決めることができるとしている。欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は、「タブーを設けずあらゆる予算上の観点」について検討を行うと発表した。修正条項の条文の詳細については、ブレア首相とシラク大統領の間で最後まで綱引きが行われた。

バローゾ委員長は加盟国の合意を歓迎した。「EUは動く。麻痺は回避された」。合意は欧州委員会のあらゆる要求を満たすものではないが、過去のブレア案に比べれば改善されている、と委員長は述べた。当初欧州委員会は予算総額で1億250ユーロを要求していたが、加盟国からは厳しい自国の財政事情を理由にまったく聞き容れられなかった。

ポーランドのカジミエシュ・マルチンキエヴィッチュ首相も合意を歓迎した。「これは欧州連合にとって良い予算であり、ポーランドにとっては勝利である」。「私たちはすべての新規加盟国のために闘った。連帯を貫いたのだ」と語った。ポーランドは最後までさらなる財政上の譲歩を求めていた。ポーランドは次期中期予算期間に総額で595億ユーロの構造改革補助金を支給される。マルチンキエヴィッチュ首相はブレア首相とシラク大統領のほか、メルケル首相の尽力に対しても感謝の意を表明した。

原題:EU-Gipfel erzielt Durchbruch in Finanzstreit




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