2006年12月18日(月)20:34
ベルリン(AP)
EU憲法批准プロセスは来年上半期のドイツのEU議長国任期中に精力的に推進されるものの、具体的な成果には至らない見込みである。これはドイツのアンゲラ・メルケル首相が月曜日ベルリンで欧州議会の代表との会談を終えて語ったもの。「私たちは道筋を示すつもりだ」。その後遅くとも2008年にはフランスの議長のもとでEU憲法の解決策が見出されることになろう。「そのために私たちは成すべきことを行なう」、とメルケル首相は強調した。
メルケル首相は、EU憲法に関する議論をあまり「小さく」行なうつもりはないと述べ、加盟25ヶ国中18ヶ国*がすでに批准を終えていることを忘れてはならないと指摘した。欧州議会のジョゼプ・ボレル議長は熟考の期間は終わったと述べた。議長は、憲法の議論を袋小路から救い出す必要がある。ドイツの議長国就任は大きな期待を抱かせる、と語った。
ボレル議長および欧州議会の各派の代表との協議では、EU憲法のほかに社会保障システムと経済発展がテーマとなった。メルケル首相は、来年1月に欧州議会に対して議長任期の重要課題を発表するつもりであると述べた。春のEU首脳会議では環境保護と経済成長が主要な議題になるという。
(明日)火曜日に欧州議会各派の代表はドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相、ミヒャエル・グロース経済相、ジグマー・ガーブリエル環境相、およびブリギッテ・ツィプリース法相と会談を行なう意向である。
原題:Noch keine Entscheidung ueber EU-Verfassung
*訳注:現時点で批准を終えているのはドイツを含め16ヶ国であるが、批准国の数については厳密には種々の解釈がある。ドイツはすでに議会の批准を終えているものの、キリスト教社会同盟(CSU)の議員の訴えを受けた憲法裁判所の判断により、批准は凍結されている。一方、2007年1月1日に加盟するルーマニアとブルガリアはEU加盟をもって批准とされる。「25ヶ国中18ヶ国」という数字の指すところは不明であるが、事実上の批准を終えたドイツに、批准を否決したフランス、オランダを加えたものかもしれない。(AFP通信の12月15日のニュース、"HINTERGRUND: Merkel soll Fahrplan zu EU-Verfassung erstellen"を参照。)