2006年12月19日(火)19:08
ヘルシンキ/コペンハーゲン/ブリュッセル(ドイツ通信社dpa)
ドイツはEU議長国任期中に欧州憲法の危機的状況の打開を図る意向である。EU憲法条約の推進は来年1月1日に始まるドイツ議長国任期の中心課題となるという。
これはドイツのアンゲラ・メルケル首相が、今月末にEU議長を退くフィンランドのマッティ・ヴァンハネン首相とヘルシンキで会談した後に語ったもの。メルケル首相は「一層のEU拡大を支持する人々も、憲法条約が決定的重要性を持つことを認識する必要がある」と語った。
この数時間前、メルケル首相はコペンハーゲンに立ち寄り、デンマークのアンデルス・フォー・ラスムッセン首相とも会談を行なった。会談後メルケル首相は「私たちは議論の期間を終えた後、憲法条約プロジェクトを再び本来の軌道に乗せるつもりだ」と述べた。ドイツは議長国として来年上半期に「今後の進め方に関するロードマップを作成する」任務を負う。私はすべてのEU加盟国の政府に、この件に関する直接の「協議相手」を1名指名してくれるよう頼んだ。ドイツ政府はこの問題では「きわめて慎重に事を進める」つもりである、とメルケル首相は述べ、その理由として「分裂はもう十分経験した。今後の課題は、できるだけ共通のものを掬い出し、固めることなのだ」と語った。
ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は火曜日ブリュッセルで2007年上半期のドイツ議長国の計画を発表し、ドイツ政府は憲法問題では「信頼できる仲介者」として懐疑論者をも納得させるつもりである。すでに今の時点で来年春のフランス大統領選挙の候補者である社会党のロワイヤル氏と保守のサルコジ内相と集中的に連絡を取っている、と語った。イギリスやポーランドも欧州憲法にはむしろ懐疑的な態度を取っている。
フランスとオランダは2005年の国民投票で欧州憲法の批准を否決している。これまでに加盟25ヶ国中16ヶ国が批准を済ませた。憲法の主な目的は、将来の拡大ラウンド後もEUの行動能力を保ち、内政や外交政策の多数決決定を可能にすることにある。
シュタインマイヤー外相は中近東問題を外交上の最大の課題と捉え、EUはロシア、アメリカ、および国連と協力してイスラエルとパレスチナの和平プロセス推進に努める必要があると述べた。また最も重要なエネルギー供給国であるロシアとの政治的、経済的協力の深化も行動計画に盛り込まれていると語った。ポーランドはロシアに対する食肉の輸出が認められていないため、目下ロシアとの交渉開始を阻止している。
シュタインマイヤー外相はトルコとの加盟交渉問題では、ドイツの議長国任期中に2つから4つの分野の交渉が新たに開始される可能性があるとの見解を表明した。トルコとの加盟交渉は、全35分野のうち、経済や貿易に関する8分野の交渉が当面停止されている。これは、キプロスの船舶や飛行機の入港を拒むトルコに対するEUの制裁措置である。
原題:Deutschland will Durchbruch in EU-Verfassungsdebatte