2007年12月10日(月)14:22
ザールブリュッケン(AP)
複数の欧州議員はフランスのニコラ・サルコジ大統領の要求する「賢人会議」Rat der Weisenの設立に反対する運動を開始する。ブリュッセルのEU首脳会議を数日後に控え、欧州議会のヨー・ライネン憲法委員会委員長は月曜日、ドイツとポーランドの欧州議員と共同でいわゆる書面声明を提出した。
ドイツ社会民主党(SPD)所属のライネン委員長は、ザールブリュッケンで新聞記者を前に、過半数の欧州議員がこの声明に賛同するだろうとの期待を表明した。委員長はまた、加盟国の議会に対しても、この賢人会議に特別の地位を与えぬよう働きかける意向である、と述べた。
ドイツ連邦議会は水曜日にも自由民主党(FDP)と緑の党の提案を受けて、公式には「熟考グループ」Reflexiongruppeと呼ばれる賢人会議について検討を行なうものと見られる。賢人会議は将来のEUの機構とEUの境界に関する提言をまとめるもので、アンゲラ・メルケル首相の支持を得ている。
ライネン委員長は賢人会議の計画について、「一部のエリートによる密室でのEU政治へと後戻りする」ものだ。透明性にも民主的正当性にも欠ける、と批判した。委員長は、サルコジ大統領が狙うのは将来のEUの境界を決定することによりトルコの加盟を阻止することではないか、との疑念を表明した。ライネン委員長の提出した書面声明には、SPDのヴラル・エーガー欧州議員とポーランドのマレク・スィヴィエツ欧州議員が名を連ねている。
一方ライネン委員長は、木曜日にEU首脳会議で採択される「リスボン条約」を称賛した。当初の欧州憲法条約案から議長国ドイツが救い出したこの成果には満足している。「条約は一層の市民参加と民主主義への大きな一歩である」。各国議会と地域の委員会は著しく強化され、EU市民請願も導入される。また欧州司法裁判所への訴権も簡略化され、諸団体への聴聞も拡大される。また、水曜日に欧州議会で予定されている欧州基本権憲章の採択は「加盟国のEUから市民のEU」への移行を意味する、とライネン委員長はその意義を称えた。
原題:Europa-Politiker wollen ≪Rat der Weisen≫ stoppen