2008年12月11日(木)

EUは再度のアイルランド国民投票に向けて譲歩

ブリュッセル(ドイツ通信社dpa)

EU各国政府はアイルランドの再度のリスボン条約批准国民投票に向けて譲歩を行う。首脳会議出席国からはフランスのニコラ・サルコジ大統領の譲歩案に反対は出なかったという。

これは外交筋が木曜日ブリュッセルで首脳会議の枠外で伝えたもの。首脳会議中に譲歩案は正式決定される。

妥協案はアイルランドが2009年秋に再度リスボン条約批准国民投票を行うことを踏まえており、見返りに欧州委員会の縮小は見送られることになる。またアイルランド国民のリスボン条約賛成を導くため、さらに拘束力のある一連の保証が与えられる。首脳会議出席国の中には、ベネルクス三国など数ヶ国が妥協に遺憾を表明したという。ポーランドのレフ・カチンスキ大統領は、アイルランドが批准しなければリスボン条約の署名は行わないと発言した。

欧州議会憲法委員会のヨー・ライネン委員長(ドイツ社会民主党SPD)は、すべての加盟国に1名の欧州委員ポストを保証するという妥協案を、「欧州委員会改革の後退」であると評した。「EUでは決定を阻止すれば得をする」ことをアイルランドは実証したのだ。各国1名のポストの保証はEU加盟国間のバランスを失う。遅くともこれは旧ユーゴスラヴィアから分離独立した7ヶ国すべてがEU加盟国となり、それぞれが委員ポストを得た段階で明らかになるだろう。「ダムは決壊した」。「もはや修復不可能だ」。今後EUは1国の拒否権による批准発効阻止を防ぐべく、新たな条約批准手続きを考える必要がある、とライネン委員長は主張した。

原題:Zugestaendnisse fuer neue Volksabstimmung in Irland




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