2000年12月3 (日)20:30

フィッシャー外相はEU内の票配分の包括的見直しを主張

ブリュッセル(ロイター)

欧州連合(EU)の将来の票配分をめぐる論争に関し、ドイツ連邦外相ヨシュカ・フィッシャーはフランスとの個別的解決を拒否し、ニースのEU改革首脳会議で票配分の包括的見直しを行うよう要求した。フィッシャー外相は日曜日EU改革に関するブリュッセルでのEU外相特別会談を前に、票配分の問題では「第三者の不利益になるような取引を行ってはならない」。EUにおける大国と小国の間の票の配分見直しが行われねばならない、と語った。目下フランスは人口で2300万人大きいドイツが閣僚理事会でフランスより多い票の配分を受けることを拒んでいる。

さらにフィッシャーは、これまでドイツは持ち票の問題で威信の政治を行ったことは一度もない。もしドイツとフランス両国間の票配分だけが解決されねばならないとしたら、万事「これまでどおりで」かまわない。しかし大国と小国の間の包括的な持ち票の見直しが必要なのだ。スペインやオランダの利害も解決案に含めねばならないのである、と語った。スペインのホセ・マリア・アスナール首相は、もしフランスとドイツが今後も同じ割り当てとなるならば、人口3900万のスペインも機構改革後は他の諸大国と同じ票数の配分を受けるべきであると主張した。またオランダも、人口の少ないベルギーよりも将来は多くの票数を行使したいという思惑から、見直しの際に人口比率に一層の配慮を行うよう求めた。

閣僚理事会の票配分の見直しは、もっぱら比較的小さな国々が加盟を予定しているEU拡大の計画を顧慮すれば、必須の改革である。改革なしに拡大が行われれば、EUの小国が大国を票数で上回り、数値上EU市民の多数を代表しない決定が行われるおそれがある。票配分の見直し論議のほかにもニースではとりわけ欧州委員会の将来の規模や多数決決定の拡大が協議される予定である。

各国の外相は、木曜日に始まるニースEU改革首脳会議に向けて最後の会合を開き、包括的な指針報告書に関する協議を行う意向であるという。フランスが先週金曜日に発表したこの報告書では、議論の分かれる問題に対していまだ具体的な提案は示されていない。議長国としては「政治的にきわめて微妙な」問題に関し今の段階で提案を行い、今後の議論を縛ることは時期尚早と考える、と報告書では述べられている。

原題:Fischer fuer umfassende Stimmen-Neugewichtigung in der EU