2000年12月4 日(月)06:18

プローディ委員長はイギリスの拒否権固執を無分別と批判

ロンドン(ロイター)

欧州委員会の委員長ロマーノ・プローディは、欧州連合(EU)内の多数決決定の拡大に対するイギリスの抵抗を批判した。プローディ委員長は、ブレア政府の姿勢は無分別であり、ニースのEU改革首脳会議に対し「きわめて不審な」態度をとっている、とイギリスの日刊紙『インデペンデント』の月曜版に語った。ブレア首相は繰り返しEUの東方拡大に支持を表明しているものの、社会保障、税制、防衛および国境検問の政策においてはイギリスの拒否権を手放さないと明言している。プローディ委員長は、今週末のニース首脳会議が失敗に終わるようなことがあれば、東方拡大は困難になると述べた。

イギリス人は小指を差し出しただけでヨーロッパに片手全部を持って行かれると考えているようだ。しかしそれでは理性的な対話とは言えない、とプローディ委員長は語った。先週イギリスの政府筋からは、アイルランド、ルクセンブルクおよびスウェーデンが税金政策での拒否権を求めたイギリスの要求を支持していると伝えられた。しかし社会保障政策の分野における拒否権の要求ではイギリスは依然として孤立しているとも伝えている。

ニースのEU首脳会議では拒否権行使の制限と並んで、閣僚理事会における将来の票配分が議題となる。この問題ではとりわけドイツとフランスの間で確執が起きている。各国の票配分の見直しには、EU人口の多数を占めない小国グループが多数決決定で可決できる状況を阻むという意向がある。ドイツ政府はドイツの人口規模を理由にフランス以上の票配分を求めている。フランス政府はこれを拒絶している。これらの問題に加えて、欧州委員会の将来の規模も協議される予定である。こうした機構改革は、EUが新たな加盟国を受け入れた後も行動能力を失わないようにするという狙いがある。

原題:Prodi nennt britisches Beharren auf Veto unvernuenfig