2000年12月5日(火) 06:14

アスナール首相はEUにおけるスペインの影響力拡大を望む

マドリード(ロイター)

スペインのホセ・マリア・アスナール首相はニースのEU首脳会議でスペインの影響力拡大を強く求める意向である。あわせて同首相はロイターとのインタビューにおいて、EU閣僚理事会の持ち票を今後は一層人口規模に応じて配分するよう求めたドイツの要求を支持した。人口比ではEUのどの国よりも多い票がドイツに配分されることになる。アスナール首相は月曜日、スペインは欧州連合(EU)のエンジンの一つであり、今後ともこの役割を維持するつもりである。スペインはそのために必ずしもドイツ,フランス、イタリア、イギリスと同じ票数を必要とするわけではない。しかしスペインには同じ影響力が認められねばならない、と述べた。

ドイツがEU最大の人口を抱える国としてこれまで以上の票を求めるとしたら、これは理性的な姿勢であるとアスナール首相は述べた。フランスは閣僚理事会においてドイツより持ち票が少なくなることを拒絶している。EU閣僚理事会はEUの最も重要な法律制定機関である。同時にアスナール首相はまた、構造基金に関する決定では拒否権を手放さない意向を表明した。現在スペインは構造基金の最大の受給国であるが、この基金は将来のEU加盟国の支援にも用いられることになっている。

アスナール首相は、全体としていまだEU加盟国の間に大きな意見の隔たりがあると認めた上で、しかし私は首脳会議の成功に期待をかけていると述べた。首脳会議で可決される改革により、EUは東方拡大への準備を整える予定である。

これ以前にスペインの政府筋からは、フランスがドイツとの票数争いであくまでも主張を貫くならば、もはやスペイン政府も現在の持ち票に甘んじるわけにはいかない。その代わりスペインは2名の欧州委員枠の1名を断念する用意がある、という意向が表明された。これが実現すればスペインには、もはや閣僚理事会で他の2つ以上の大国と組むことなく決定を阻止する可能性が開かれる。各国の首脳による会議は木曜日にニースで始まる。

アスナール首相はEUの外でもスペインの国際的な影響力を強めようと努力している。中期的にはスペインを7ヶ国の先進工業国とロシアからなるG8グループに昇格させる意向である。

原題:Aznar will mehr Gewicht fuer Spanien in EU