2000年12月14日(木) 19:02

フランスに対し欧州委員会から厳しい批判

ブリュッセル(ロイター)

ニースのマラソン協議を終えて、欧州委員会内ではフランスのEU議長国としての振舞いに厳しい批判の声が上がっている。約20,000人のEU職員に向けた首脳会議要旨の内部資料においてデイヴィッド・オサリヴァン欧州委員会事務総長は、フランスは協議の席で「適正なバランス」をとるのが難しかったようだと記した。同事務総長は、保守のジャック・シラク大統領と社会党のリヨネル・ジョスパン首相の協力関係の難しさに加え、フランス内部の問題で弱体化したシラク大統領では、ニースにおいて「大した働きができなかった」。また欧州委員会も首脳会議の交渉に充分に組み込まれたとは言えない、と述べている。首脳会議の公式総括文書は木曜日の段階でもまだ発表されていない。

「勝者(今回はイギリスとスペイン)と敗者(ベルギー、ポルトガル、ドイツおよび欧州委員会)に分かれた、感情むきだしの首脳会議であった」。議長国のおかげで、欧州委員会はニースで仲介者の役割を演ずることがきわめて困難になった、とオサリヴァンは批判する。フランスは妥協をはかろうと尽力した欧州委員会を二国間交渉の席から締め出した。そのため欧州委員長ロマーノ・プローディは自ら妥協点をさぐる仕事に加わろうと試みた。それにより欧州委員会は加盟国同士の最後の交渉の晩、「政治的取引」の中に「いっそうの欧州統合の足がかり」を組み入れようとしたのだ、と内部資料には記されている。

首脳会議は幾たびか深刻な危機に見舞われた、と資料は続ける。この危機にはとりわけフランス、ベルギーおよびポルトガルが関与していた。一点をめぐりベルギーのギー・フェルホフスタット首相は協議を打ち切ると脅しをかけた。議長はベルギーが首脳会議の結論を受け入れるようフェルホフスタット首相に強力な圧力をかけたが、その結論といえば欧州委員会の期待を下回るものであった、と伝えている。

EUの首脳は月曜日に、EU首脳会議史上前例のないマラソン協議の末、2003年以降のEU拡大を可能にする改革案を承認した。各国首脳は決定プロセスと諸機構の改革を進める措置に合意した。すでに欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長は、各国の持つ拒否権の削除がニース首脳会議では期待外れの結果に終わったと遺憾の意を表明している。

原題:Scharfe Kritik aus der EU-Kommission an Frankreich