2001年2月2日(金) 15:07
ベルリン(ロイター)
欧州連合諸機構の強化を主張したフランスのピエール・モスコヴィシ欧州大臣の演説はドイツ政府の賛同を得た。金曜日ベルリンのドイツ政府筋は、演説は「非常に肯定的に」受けとめられたと伝えた。モスコヴィシは木曜日の晩ルートヴィヒスブルクにおいて、次の欧州委員長から2004年の欧州議会による選出を考慮すべきであると述べた。欧州連合(EU)諸機構の強化は、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)およびヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)も支持している。
シュレーダー首相とフランスのジャック・シラク大統領ならびにリヨネル・ジョスパン首相との非公式会合を終えたそのわずか1日後に、モスコヴィシ欧州相は各国欧州大臣で構成される常設理事会を設置するよう提案した。モスコヴィシは、この理事会は欧州委員会のパートナーとして日常業務を処理するが、それにより外相理事会の負担軽減もはかられる。「これにより外相理事会はEUの『上院』としての役割を一層効果的に果たせるようになる」と語った。
モスコヴィシは社会党のジョスパン首相の右腕と見なされている。同首相は3月末に欧州政策に関する基調演説を行うことを予告している。すでにモスコヴィシは『シュピーゲル』誌のインタビューの中で独仏関係の強化を主張していた。
欧州委員会、欧州議会および加盟国政府によって構成される欧州理事会というEUの諸機構に関して、モスコヴィシは「共同体モデルを強化するため、私の考えでは、機構上の三角形を成す三つの構成要素の修復が必要である」と述べた。これまでは各国政府の合意により欧州委員長が決められていた。現欧州委員長はイタリアのロマーノ・プローディである。
シラク大統領とシュレーダー首相は水曜日、ストラスブール近郊のブレシェイムにおいて会談し、今後は6週間から8週間の間隔で非公式会談を行い、両者の欧州政策を協調させることに合意した。ベルリンの政府筋は、この会談によって「独仏の空に湧き昇った暗雲」は消え去ったと伝えている。去る12月のニースEU首脳会議でEU改革は決定に至ったが、フランスでは、人口の多いドイツがEU内で支配的地位を占めようとしているのではないかという懸念が持ち上がっていた。
原題:Europarede Moscovicis trifft bei Bundesrepublik auf Zustimmung