2001年2月13日(火) 15:43

プローディ委員長は共通の欧州ビジョンに欠けるとEU各国を批判

ストラスブール(ドイツ通信社-AFX)

ロマーノ・プローディ欧州委員長は共通の欧州ビジョンが欠如しているとしてEU加盟国の政府を批判した。「われわれはいつからか一貫した方向性を失ってしまったのだ」とプローディ委員長は火曜日ストラスブールの欧州議会において、欧州委員会の2001年行動計画を紹介する際に述べた。それゆえEU内で欧州の将来像に関し「広範で原則的な議論」を行う必要がある。この「公の考察」にはEU市民にも加わってもらわねばならない。その際、問題となるのは基本的にEU憲法ではなく、政治的課題なのである、とプローディ委員長は語った。

「ニース政府協議の残念な結果」は、このような原則に関わる議論がもはやこれ以上引き延ばせないということを示した。EU加盟国間に重大な意見の相違があることが明らかになったのだ。この意見の相違は誤った論議に端を発するものである。「数年前から単なる権力問題ばかりが論議されてきたのだ」。しかし必要なのは「核心に関する誠実で率直な問いかけなのである」とプローディ委員長は主張した。

プローディの見解によれば、原則に関する論議は二つの問題に集約されるという。「われわれは単なる経済的統一にとどまらず、政治的統一も目指そうとしているのか?第二に、どの程度までわれわれは社会的経済的相互連帯を行う心づもりがあるのか?」この問いはきわめて政治的なもので、単に憲法に関する問題にとどまらない、とプローディは語った。

すべての議員団の広報官は、欧州の将来像に関する議論を社会全体で広範に行うとしたプローディ委員長の提案を基本的に歓迎する声明を出した。しかし一方でプローディ委員長の演説を必ずしも明快でないと批判した。

キリスト教民主系と保守系から成る欧州国民党(EVP)議員団のハンス・ゲルト・ペッタリンク(キリスト教民主同盟)議員団長は、基本権憲章策定委員会Grundrechtekonventをモデルに今年中にもEU改革会議を準備することを提案した。そうすれば2002年にもこの会議は協議を始めることができる、とペッテリンクは考えている。

欧州議会外務委員会の委員長を務めるキリスト教民主同盟(CDU)のエルマー・ブロークは、「改革会議が結局は民俗色豊かな宣言を発表し、15カ国の政府首脳が、ニース首脳会議のように、最後の決定的な晩にまた一切を内々で取り決める、などという事態を招くことがあってはならない」と警告した。ブロークは、欧州議会と各国議会がニース後のプロセスに関与するような明確な手順と誤解の余地のない手法を要求した。

さらにブロークはただちにEU内の決定機構を改善するよう求めた。「各国政府首脳は、ニースで成果が上げられなかったことを自ら確認したことであろう」。決定機構の改善は拡大条約の枠内で行うことができる、と語った。

いつ欧州議会がニース条約の採択を行うかは、ブロークの情報によれば、いまだ明らかでないという。「おそらく今年の下半期か、あるいはそれ以降になるだろう」とブロークは質問に答えた。しかし欧州議員により条約が否決されたとしてもそれは法的拘束力を持たない。だが、すでにイタリアとベルギーの国会は、批准に際し欧州議会の票決に従うことを表明している。

原題:Prodi wirft EU-Staaten fehlende gemeinsame Europa-Vision vor

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