2004年2月9日(月)16:07
ゲンスハーゲン(AFP)
ベルリン近郊での非公式首脳会談で、ドイツとフランスはEU憲法の早期成立を迫った。憲法草案はなるべく6月末までのアイルランドの議長任期中に可決されるべきである、「ただしどんな犠牲を払っても良いというわけではない」、とドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はブランデンブルク州のゲンスハーゲンで述べた。フランスのジャック・シラク大統領は、フランス政府とドイツ政府は二重多数決制の票決原則と欧州委員会の縮小にあくまでも固執すると発言した。
シュレーダー首相は今晩、EU議長を務めるアイルランドのバーティー・アハーン首相に独仏両国の共通見解を伝える意向である。昨年10月には逆に、シラク大統領がシュレーダー首相の意見をブリュッセルのEU首脳会議で代弁した例がある。
シュレーダー首相は、独仏両国は憲法協議を成功に導かねばならないという意見で一致した、と述べた。しかしその際に二重多数決制はあくまでも固執「せねばならない」。加えて欧州委員会の「仕事の効率性」も確保する必要がある、と首相は主張した。シラク大統領は、欧州政治の問題でドイツとフランスは「立場と見解を共にして」いると述べた。
今晩アイルランドの首都ダブリンで行われるシュレーダー首相とアハーン首相の会談では、EU憲法問題のほか、2月18日にベルリンで開かれるドイツ、フランス、イギリスの三極首脳会議もテーマになる。
シュレーダー首相とシラク大統領はイラク問題でも一致をアピールした。シュレーダー首相はこの問題での「密接かつ友好的な協力」を称えた。シラク大統領は、両国政府が「イラクに関して完全に意見が一致」していると強調した。EU部隊の枠内でのさらなる対アフガニスタン協力に関しては、「ドイツ・フランス旅団」の投入が検討されている、とシュレーダー首相は述べた。
ヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)とフランスのドミニク・ドヴィルパン外相は、火曜日にパリでスペインのアナ・パラシオ外相と会談する。イラク問題とEU憲法はその席でも協議の中心になる。
EU憲法は昨年スペインとポーランドの共同抵抗に遭い、可決に至らなかった。
原題:Schroeder und Chirac draengen auf EU-Verfassung