2008年2月8日(金)12:49
パリ/ブリュッセル(AFP)
国民投票による欧州憲法の批准否決から3年弱、フランスの議会は新たなEU条約の批准を承認した。木曜日から金曜日にかけての晩、国民議会に続き上院もリスボン条約を承認した。これにより条約はフランソワ・フィヨン首相またはニコラ・サルコジ大統領の署名により批准に至る。フランスは条約を批准した5番目の加盟国となり、創立以来の加盟国としては最初の批准国となる。
欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、条約の早期批准はEU改革を推進しようとする「強いシグナル」であると讃えた。昨年12月中旬にポルトガルで調印されたリスボン条約は、これまでのところ、新規加盟国のハンガリー、スロヴェニア、マルタ、ルーマニアの4ヶ国が批准を終えている。ドイツは5月に批准を予定している。条約の前身となるEU憲法は2005年のフランスとオランダの国民投票で否決された。サルコジ大統領は昨年の大統領選挙戦で、EU憲法の代わりとなる「簡略版の条約」に対し、国民に支持を求めていた。社会党は最後まで条約批准を問う国民投票を求めたものの、受け容れられなかった。
フランソワ・フィヨン首相は、議会で「圧倒的多数」の議員が条約批准を承認したことを歓迎した。上院では賛成265票、反対42票、また木曜日に行われた国民議会の表決では賛成336票、反対52票であった。フィヨン首相は、この条約は当時のEU議長国ドイツのアンゲラ・メルケル首相を補佐したサルコジ大統領の「強い熱意のおかげで」2007年6月に成立したものだと強調した。新たな条約は2005年にフランス国民が批准投票で示した「不安や期待にくまなく」配慮した内容になっている、と首相は述べた。
「フランスはリスボン条約批准の第一陣に加わることによって、EUの最前線で活躍する意思をあらためて表明したのだ」と欧州委員会のバローゾ委員長はブリュッセルで語り、サルコジ大統領の「欧州統合にかける意欲」を歓迎した。フランスは今年下半期にEU議長国に就任する。
原題:Frankreichs Parlament stimmt Ratifizierung von EU-Vertrag zu