2009年2月18日(水)18:37
AFP
数ヶ月に及ぶ議論の末、チェコはEU改革リスボン条約批准に向け、最初のハードルを越えた。下院は僅差でリスボン条約を承認した。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は批准承認を歓迎した。しかし上院の採決は早くても4月以降になると見られている。
下院の採決では承認に必要な3分の2*の賛成がかろうじて得られた。チェコはEU加盟27ヶ国中、批准手続きを行う最後の国である。
ここ数週間、リスボン条約をめぐる内政上の議論はEU議長国チェコの重荷となっていた。議会は年末から年始にかけて採決をすでに2度延期し、今週火曜日の3時間に及ぶ議論も結論に至らなかった。EU議長を務めるミレク・トポラーネク首相は議員に対し、もし条約批准を阻止すればチェコは孤立すると警告していた。その一方で首相は条約に対し距離を置き、私は「心ではなく頭で」条約に賛成するのだと述べた。
リスボン条約反対派はとりわけチェコの国家的独自性が脅かされるのではないかと懸念している。数十年に及ぶ共産主義政権、第二次大戦中のナチス・ドイツによる占領、さらには数百年にわたるオーストリア・ハンガリー帝国の支配を経験しているチェコにとって、主権問題は特別な意味を持つ。
リスボン条約は今後第二院の上院で可決されねばならない。与党市民民主党(ODS)内部にも反対派が多いため、4月に予定されている上院の採決で批准が承認されるかは予断を許さない。
更なるハードルはヴァーツラフ・クラウス大統領の署名である。クラウス大統領は下院での議決の後、予想どおり懐疑的な見解を示した。私は上院が「責任あるやり方で熟考する」ものと確信していると大統領は述べた。根っからの欧州統合反対論者として知られる大統領は、署名をできる限り引き延ばすと宣言している。
チェコのほかにドイツ、アイルランド、ポーランドの計4ヶ国がリスボン条約の批准を完了していない。昨年6月の国民投票で批准を否決したアイルランドは2009年中に仕切り直しの国民投票を実施する予定である。
原題:Tschechiens Parlament stimmt fuer EU-Vertrag
*訳注:この数字は通信社によってまちまちである。AP通信Tschechisches Unterhaus stimmt Vertrag von Lissabon zuは「5分の4」と伝えているが、ドイツ通信社(dpa)のニュースPrager Parlament stimmt EU-Reformvertrag zuによれば「200議席中120議席」となり、これは5分の3に相当する。