2010年2月27日(土)12:38
ベルリン(ドイツ通信社dpa)
ドイツとフランスが推進するEU経済政府は具体的な形を取りつつある。
シュピーゲル誌Der Spiegel の報道によれば、両国の財務省は共同の戦略文書を発表し、EUの経済協力強化に向けたポイントを提言した。協力関係を強化することにより、目下ギリシャが直面しているような危機を回避するのが目的という。しかしドイツの財務省は土曜日、この戦略文書の存在についてコメントを避けた。
計画されているEU経済政府の役割は依然曖昧なままである。ドイツ、フランス両国の計画では、EU首脳会議がこれまで以上に経済政策を中心課題として扱うことになる。従来、経済政策の決定は主にEU加盟国の財務相理事会に委ねられていた。
両国案では、EU首脳会議と欧州委員会がこれまで以上に集中的に、個々の加盟国の競争能力の推移を監視する。目標は「ユーロ圏のまとまりを保つこと」にある、とシュピーゲル誌は両国案を伝えている。加盟国が軌道から外れた場合、欧州委員会はこれまでより迅速かつ包括的に介入することが認められる。たとえば加盟国の「経済政策が通貨同盟の機能を脅かす場合」は、欧州委員会が加盟国に対して戒告を行うという。
シュピーゲル誌の報道によれば、ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相(キリスト教民主同盟CDU)とフランスのクリスティーヌ・ラガルド財務相は、このEU経済政府案をユーロ加盟国理事会の議長を務めるルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相に書簡で送ったという。ユーロ加盟国財務相は次の理事会でこの提案を議論する予定であるという。
原題:Berlin und Paris entwerfen EU-Wirtschaftsregierung