2002年1月9日(水)12:22
クロイト(AP)
キリスト教社会同盟(CSU)は「信頼に値する欧州政策への回帰」を要求した。水曜日、ヴィルトバート・クロイトにおける同党の非公開会議において、CSUの州グループは定見のない大言壮語的な欧州政策を行っているとして連邦政府を批判した。欧州統合の独仏エンジンは停止しており、ドイツ経済の弱さはユーロに悪影響を与えている。欧州緊急部隊への貢献というドイツの約束は依然実現を見ていない、と批判した。
対オーストリア制裁によってドイツは小国の信頼できるパートナーという伝統的な役割を損ねてしまった。ドイツは再びEUに対しインパルスを与える必要がある。緊急の問題はEUと加盟国間の明確で透明な権限画定である、とCSUの州グループは主張した。
EUは外交・防衛政策、統一的域内市場、競争およびユーロ、共同の農業政策、ならびに国境を越える域内安全、法律政策、交通ならびに環境および健康の問題に関して、明確な権限画定が必要である。欧州の軍隊を互いに連結させ、上級代表およびEU対外関係委員の任務をひとつにまとめる必要がある。EUと加盟国の間の権限をめぐる争いは将来、欧州裁判所が調停せねばならない。EU財政の改革では全加盟国の公平な拠出を図る必要があり、構造基金は貧しい地域に限定されねばならない、とCSUは要求した。
あわせてCSUの州グループは東方拡大でいかがわしい妥協を行うことのないよう警告した。多くの加盟候補国ではいまだに司法と行政の確立において著しい欠陥がある。EU加盟の決定に当たっては、硬直的なタイムスケジュールや政治的配慮でなく、合意された加盟基準の達成のみが判断材料とならねばならない。これには、EU法と相容れない、ドイツ人の追放と財産剥奪を定めた規定*)を、チェコが破棄することも含まれる、と主張した。
*) 訳注:第二次大戦後、ズデーテンドイツ人の国外放逐を定めたベネシュ布告を指す。
原題:CSU fordert deutsche Europa-Initiative
Klare Kompetenzabgrenzung verlangt - Gegen Zugestaendnisse bei Osterweiterung