2003年1月21日(火)21:14
パリ(AFP)
将来の欧州連合の体制に関する独仏の改革案は、EU将来像会議のヴァレリー・ジスカールデスタン議長からも批判を受けた。欧州委員長を欧州議会の選挙で選出するという提案は「欧州委員会の政治化を招くおそれがある」。そのような環境では「欧州の共同の繁栄を体現すること」が欧州委員長には難しくなろう、とジスカールデスタン議長はパリの日刊紙『ル・フィガロ』に語った。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相とフランスのドミニク・ドヴィルパン外相は、ブリュッセルで開かれた将来像会議の2日目の討議で、両国政府の提案を弁明した。
ジスカールデスタン議長の言葉によれば、欧州委員会による委員長の選挙*) より、むしろ候補者選びの手続きを考え直すことのほうが重要であるという。欧州委員長のほかに数年任期で選出されるEU議長を置くという提案は、基本的な部分で同議長の支持を得た。
独仏案はとりわけ小さな加盟国から批判が浴びせられた。改革会議(=将来像会議。訳注)のオランダ代表ヒリス・デ・フリースは、今EUが必要としていないのが新たな代表であると述べた。ベルギーのルイ・ミシェル外相は、諸機構間のバランスが著しく損なわれることになると付け加えた。
フィッシャー外相は、改革案の目標は欧州委員会と欧州議会の権限を強化することにあると述べて、先週ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)とフランスのジャック・シラク大統領が提案した改革案を弁護した。ドヴィルパン外相は、ドイツとフランスは小さな加盟国と大きな加盟国の間に橋渡しを試みているのである。二人の代表は任務が異なるので競合などは起こらない、と主張した。
EU改革会議は半年後に欧州連合の憲法草案を発表する予定である。同会議の105名のメンバーはほぼ一年前から定期的に会合を開いており、今年末までに政府間協議の枠内で憲法案を可決することを目指している。
原題:Deutsch-franzoesische EU-Reformideen abgelehnt
*) 訳注:「欧州委員会による委員長の選挙」die Wahl des Praesidenten durch die Kommission とあるが、独仏提案では欧州委員長の選挙は欧州議会による。